台湾TSMC(台湾積体電路製造)と台湾MediaTek(メディアテック)は、商用8Kテレビ向けSoC(System on a Chip)「Pentonic 2000」を2021年11月22日に共同発表した TSMCニュースリリース MediaTekニュースリリース 。MediaTekの製品で、TSMCの7nm世代半導体プロセス「N7」を使って製造される初めての商用8Kテレビ向けSoCだという。

「Pentonic 2000」の概要
「Pentonic 2000」の概要
(出所:MediaTek)
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 「N7」で製造されるSoCは多数あるが、TSMCからそのSoCについてのニュースリリースが出されるのは異例である。異例なことはもう1つある。MediaTekはこのSoCを一足先に21年11月19日に単独で発表している ニュースリリース 。その内容は22日発表分とほとんど同じである。ほぼ同じ内容のニュースリリースが連続して出されることもあまり例がない。

 新製品のPentonic 2000は、リフレッシュレートが120Hzで8K解像度のディスプレーを備えたデジタルTV向けSoCである。リフレッシュレートが144Hzのディスプレーが付いたゲーム用PCや第9世代ゲーム機にも対応できるという。このSoCは、120Hz・8Kに対応したMEMC(Motion Estimation and Motion Compensation:動画推定と動画補償)回路と8K解像度に対応したAI(人工知能)利用の超解像度処理回路、VVC(Versatile Video Coding) H.266対応コーデックを集積する。PiP(Picture-in-Picture)やPbP(Picture-by-Picture)表示が可能である。ATSC 3.0を含むテレビ放送規格やAV1のストリーミングサービス、Dolby Vision/Dolby Atmosなどをサポートする。UFS 3.1経由でストレージを外付けしたり、Wi-Fi 6Eや5Gモデムを接続したりできる。

 前述したように、Pentonic 2000はN7プロセスで製造される。TSMCの16nm世代プロセスで製造した場合と比較すると、N7での製造はロジック密度を3倍にできるうえ、30%の高速化または55%の低消費電力化が可能だとする。これにより、AIベースの処理で、HD画像や4K画像を8K画像に高解像度化したり、ユーザーのボイスコマンドをリアルタイムで認識できたりするという。

 Pentonic 2000は、22年第2四半期中に全世界で発売予定である。