産業用ドローンの開発を手掛けるACSLは2021年12月7日、小型の空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」(オープン価格)を発売した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、災害対応やインフラ点検といった政府調達などに向けて、20年4月から21年11月まで開発を進めた「安全安心なドローン基盤技術開発」事業の成果を生かしたもの。飛行や撮影データの漏洩(ろうえい)や抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性を実現した“国産ドローン”である。

ACSLが発売した小型の空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」。災害対応やインフラ点検などに向ける(写真:ACSL)
ACSLが発売した小型の空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」。災害対応やインフラ点検などに向ける(写真:ACSL)
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 具体的には、コンピューターセキュリティーの規格「ISO15408」に基づくセキュリティー対策を施すとともに、機体の主要部品に国産品もしくは信頼性が高い海外からの調達品を採用。通信・撮影データの暗号化、国内クラウドでの取得データの保護などセキュリティーを強化したという。

 また小型の空撮ドローンでは初となる、カメラのワンタッチ切り替え方式を採用した。4Kの標準カメラのほかに、赤外線カメラ+可視カメラ、マルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラ(開発中)との交換が可能だ。

 最大対気速度は15m/sと風に強い。さらに日本において高精度な位置情報を把握できるSLAS/SBAS(準天頂衛星システムみちびきのサブメータ級測位補強サービス)に対応しているため、災害調査など正確な位置情報を把握する必要がある場面では、より安全に離着陸が可能としている。

 SOTENの機体は展開時の寸法で637mm×560mm(プロペラ含む)、重量は1.7kg(標準カメラ、バッテリー含む)と小型・軽量なうえ、プロペラアームを収納できる。防じん・防水性能はIP43に対応。最大飛行時間は標準バッテリーで22分(標準カメラ搭載時、風速8m/s条件下)。なお、航空法の改正によって義務付けられた識別情報のリモートIDは、Bluetooth 5.0を活用したブロードキャスト型を採用したとしている。