ルネサス エレクトロニクスは、Armコアマイコン「RAファミリ」の新製品として「RA4M3グループ」を発売し、量産を開始した(ニュースリリース)。新製品はCPUとして最大100MHz動作の「Arm Cortex-M33」を集積する。産業機器やHVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)機器、メーターなどのIoTアプリケーションを狙う。

新製品と応用先の例
(出所:ルネサス)
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 RA4M3は、同じCPUコアを集積するマイコン「RA6M4グループ」*の下位製品に当たる。RA6M4のCortex-M33は、発売済みのRAファミリの中では最速の200MHzで稼働可能である。今回のR4M3では最大100MHzと半分のスピードになったが、その分、消費電力は低減する。フラッシュメモリーからCoreMarkアルゴリズムを実行するアクティブモードでは消費電流は119µA/MHz。スタンバイモードでは1.6mA。スタンバイモードからのウエイクアップ時間は30μsと短く、「間欠動作で長時間稼働するIoTアプリケーションに最適」(同社)としている。

 同社はセキュリティー機能が豊富なことも新製品の特徴だとする。Cortex-M33の売り物であるArmのセキュリティー技術「TrustZone」に対応し、さらにルネサス独自の暗号化回路「Secure Crypto Engine」を集積する。Secure Crypto Engineにより、複数種類の対称・非対称暗号のアクセラレーション、高度な鍵の管理、セキュリティー・ライフ・サイクル管理、改ざん検知、およびサイドチャネル攻撃への耐性確保、などが容易に行えるとする。

 RA4M3は、最大1Mバイトのプログラム・フラッシュ・メモリー、128KバイトのSRAM、8Kバイトのデータ・フラッシュ・メモリー、1KバイトのスタンバイSRAMを集積している。プログラム・フラッシュ・メモリーはデュアルバンク構成で、バックグラウンド動作とスワップ機能を持つ。これで例えば、ファームウエアの更新をバックグラウンドで実行できる。また、SRAMにはパリティー(誤り検出)/ECC(誤り訂正)機能を備えており、信頼性を高めた。Quad-SPIとSDカードインターフェースの集積により、外付けメモリーの増設を容易にした。

新製品の機能ブロック図
(出所:ルネサス)
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 このほか12ビットA-D変換器や12ビットD-A変換器、静電容量式タッチ・センシング・ユニットなどを集積する。パッケージは64/100/144ピンLQFP(オプションでLGA/BGAパッケージあり)。動作温度範囲は-40~+105℃。動作電圧範囲は2.7~3.6V。プログラム・フラッシュ・メモリー容量やパッケージなどが異なる7製品がある。開発向けに評価キット「EK-RA4M3」を用意している。

RA4M3グループは7製品からなる
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評価キットの「EK-RA4M3」
(出所:ルネサス)
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