伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロ)は、利得帯域幅積(GB積)が50MHz(標準値)と広いオペアンプを2個集積したIC「TSV792」を発売した(ニュースリリース)。いわゆるデュアル構成品である。特徴は、GB積が50MHzと広いことのほかに3つある。1つ目はスルーレートが30V/μs(標準値)と高いことである。このため高周波信号の増幅に使える。例えば、フォトダイオードの出力信号の増幅などである。2つ目は、入力オフセット電圧が±50μV(標準値)と小さいことだ。微少な電流を高精度に検出する用途に向く。例えば、モーター制御機器や電源モジュールのローサイド電流の検出などである。3つ目は、最大1nFと大きな出力容量を扱えることである。このため高速/高精度が求められるフィルター回路やA-D変換器の入力バッファー回路などに使える。具体的な応用機器として、煙探知機やスマートホーム機器、産業機器/通信機器向け電源モジュール、再生可能エネルギー機器などを挙げている。

利得帯域幅積が50MHzと広いデュアル構成のオペアンプIC
STMicroelectronicsのイメージ
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 電源電圧範囲は+2.5~5.5Vである。入力オフセット電圧の温度ドリフトは±5μV/℃(最大値)。入力バイアス電流は2pA(標準値)。オープンループ利得は133dB(標準値)。入力換算雑音電圧密度は6.5nV/√Hz(10kHzにおける標準値)と小さい。位相余裕は53度(標準値)を確保した。入力信号と出力信号はどちらも、電源電圧いっぱいまで振ることができる(いわゆるレール・ツー・レール入出力対応品)。

 パッケージは、実装面積が2mm×2mmと小さい8端子DFNと、4.9mm×6.0mm(端子部を含む)の8端子SOPを用意した。動作温度範囲は−40~+125℃である。新製品は、同社の「10年間の供給保証プログラム(10 Year Longevity Program)」に含まれており、産業機器などに向けて最低10年間の供給を保証する。8端子SOP封止品はすでに量産を始めている。8端子DFN封止品は、2021年に量産を開始する予定。2製品どちらも、1000個購入時の参考単価は0.67米ドルからである。