伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロ)は、マイクロプロセッサー(MPU)/アプリケーションプロセッサー(APU)への電力供給に向けたシステム電源IC「STPMIC1」を発売した(ニュースリリース)。同社は、「パワーマネジメントIC(PMIC)」と呼ぶ。特徴は、集積度が高いことだ。4個の降圧型DC-DCコンバーターと、1個の昇圧型DC-DCコンバーター、6個のLDOレギュレーター、1個のDDRメモリー用基準電圧源、2個のUSB用電源スイッチを1チップに集積した。具体的な用途は、ウエアラブル機器やIoT対応機器、携帯型電子機器、スマートホーム対応機器などである。

アプリケーションプロセッサーへの電力供給に向けたシステム電源IC。STMicroelectronicsのイメージ
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 同社のマイクロプロセッサー/アプリケーションプロセッサーである「STM32MP1」(関連記事)に最適化したシステム電源ICである。STM32MP1は、英ArmのCPUコア「Cortex-A7」とコアと「Cortex-M4」を1つずつ集積する。このほか、3Dグラフィックス処理ユニット(GPU)や、デジタル信号処理回路やアナログ信号処理回路なども集積している。今回の新製品とSTM32MP1を1パッケージに収めたSiP(System in Package)品を提供する米Octavo Systemsによると、「今回の新製品を使えば、ディスクリート品で構成した場合に比べて、実装面積を最大で64%削減できる」という。

 入力電圧範囲は+2.8〜5.5V。4個の降圧型DC-DCコンバーター(BUCK1、BUCK2、BUCK3、BUCK4)はいずれも、フィードバックループの制御方式に適応型コンスタントオン時間(COT)方式を採用する。このため、高速な過渡負荷応答特性が得られるとする。BUCK1は、CPUコアへの電力供給向けだ。出力電圧範囲は+0.725〜1.5Vで、最大出力電流は1.5A。BUCK2はDDRメモリーへの電力供給向け。出力電圧範囲は+1.0〜1.5Vで、最大出力電流は1A。BUCK3は入出力インターフェースへの電力供給向けで、出力電圧範囲は+1.0〜3.4V、最大出力電流は0.5A。BUCK4は、CPUコアもしくはGPUへの電力供給向けだ。出力電圧範囲は+0.6〜3.9Vで、最大出力電流は2Aである。

 昇圧型DC-DCコンバーターは、USBポートへの電力供給に向ける。出力電圧は+5.2V固定で、最大出力電流は1.1A。6個のLDOレギュレーターのうち、3個の最大出力電流が350mA、1個が150mA、1個が100mA、1個が50mAである。350mA出力と150mA出力のLDOレギュレーターは汎用用途向け。例えば、フラッシュメモリーやSDカード、DDRメモリーなどへの電力供給に使える。100mA出力のLDOレギュレーターはDDRメモリーの終端用。50mA出力のLDOレギュレーターはUSB物理層(PHY)回路用である。パッケージは、外形寸法が5mm×6mm×0.8mmの44端子WFQFN。動作温度範囲は−40〜+105℃。1000個購入時の米国での参考単価は約1.7米ドルである。