米ON Semiconductor(オンセミ)は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)などのトラクションモーターの駆動に向けたIGBTパワーモジュール「VE-Tracファミリー」を発売した(ニュースリリース)。同社は「パワー・インテグレーテッド・モジュール(PIM)」と呼ぶ。今回は2製品を発売した。1つは、IGBTを2個集積したハーフブリッジ構成のパワーモジュール「NVG800A75L4DSC」である。耐圧は+750Vで、最大コレクター電流は800Aである。もう1つは、IGBTによるハーフブリッジ構成を3組内蔵したパワーモジュール「NVH820S75L4SPB」である。いわゆる「6パック構成」のパワーモジュール。耐圧は+750Vで、最大コレクター電流は820Aである。2製品どちらも、第4世代のフィールドストップ(FC)構成を採用した狭メサ型のIGBTを採用した。

トラクションモーター駆動用インバーターに向けたIGBTパワーモジュール。ON Semiconductorのイメージ
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 前者のNVG800A75L4DSCは、パッケージの表面と裏面の両方に放熱板を設けた「デュアル・サイド・クール(DSC)」構造を採る。このため、この製品を複数積み重ねることが可能なため、実装面積を増やすことなく、駆動能力を高められる。対応する駆動能力の範囲は80k〜300kWである。車載用パワー半導体の品質規格である「AQG-324」に準拠する。内蔵したIGBTのコレクター-エミッター間飽和電圧(VCE(sat))は2つとも+1.55V(最大値)と小さい。このため電力損失を抑えられるという。全ゲート電荷量は1.9μC(標準値)。過電流保護機能や過熱保護機能を内蔵した。パッケージの外形寸法は、55.0mm×55.0mm×4.7mm(端子部を除く)で、端子数は15本である。動作接合部温度範囲は−40〜+175℃である。

 後者のNVH820S75L4SPBは、パッケージに取り付けた端子やフィンを使って放熱する方法を採用する。同社は、この方法を「ダイレクトクーリング」と呼ぶ。内蔵した6個のIGBTのコレクター-エミッター間飽和電圧(VCE(sat))は、すべて同じで+1.55V(最大値)。車載用パワー半導体の品質規格である「AQG-324」に準拠する。

 発売した2製品どちらも価格は明らかにしていない。なお、2020年1月7日〜10日の米国ネバダ州ラスベガスで開催される「CES 2020」の同社ブース(ブース番号はVenetian/Sandsコンベンションセンター、Murrano 3302)で展示する予定だ。