独Infineon Technologies(インフィニオン)は、最大コレクター電流が900Aの1200V耐圧IGBTモジュール「FF900R12ME7_B11」を発売した(ニュースリリース)。2個のIGBTチップを同社独自のパッケージ「EconoDUAL 3」に封止したモジュールである。いわゆるハーフブリッジ回路構成を採る。特徴は、同社最新のIGBTチップ「TRENCHSTOP IGBT7」を採用した点にある。同社従来の「TRENCHSTOP IGBT4」と比較すると、同じダイ面積の場合、オン時の電圧が最大で30%少なく、電源回路の静的な損失を減らせる。従って、IGBT7を採用した今回のモジュールは、IGBT4を採用した従来のモジュールに比べて、最大コレクター電流を約30%高められたという。産業機器や農業機械、建設機械、サーボモーター、太陽光発電用インバーター、無停電電源装置(UPS)などに向ける。

最大コレクター電流が900Aの1200V耐圧IGBTモジュール。Infineon Technologiesの写真
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 モジュールには、2個のIGBTチップのほかに、2個のフリーホイールダイオード(FWD)やNTCサーミスターを内蔵した。フリーホイールダイオードには、同社の第7世代に当たるエミッター制御型ダイオード「EC7」を採用した。同社従来のエミッター制御型ダイオード「EC4」に比べると、順方向電圧降下が100mV低い。その分だけ電力損失を抑えられる。IGBT7チップのコレクター-エミッター間飽和電圧(VCE(sat))は+1.50V(標準値)。ゲート電極のしきい値電圧は、最小値が+5.20V、最大値が+6.40V。ゲート電荷量は14.3μC(最大値)。ゲート抵抗は0.5Ω(標準値)である。

 FF900R12ME7_B11の販売はすでに始めている。同社は2020年に、パッケージのタイプや最大コレクター電流などが異なる複数のIGBT7チップ内蔵モジュールの製品化を予定している。