ロームは、同社従来品に比べてオン抵抗を削減した−40V耐圧と−60V耐圧のpチャネル型パワーMOSFETを24製品発売した(ニュースリリース)。オン抵抗は製品によって異なるが、−40V耐圧品で最も低いのは5.2mΩで、−60V耐圧品は9.9mΩである(いずれもゲート-ソース間電圧が−4.5Vのときの標準値)。−40V耐圧品のオン抵抗は同社従来品に比べて62%減、−60V耐圧品は52%減になる。オン抵抗を低減できたのは、同社の第5世代にあたる微細プロセス技術を新たに採用したためだ。「トレンチ構造のゲート電極を微細化して電流密度を高めることでオン抵抗を削減した。単位面積当たりのオン抵抗は業界で最も低い」(同社)という。

オン抵抗を62%削減したpチャネル型パワーMOSFET
ロームの写真
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 産業機器や大型民生機器などに搭載する直流(DC)ファンモーターの駆動回路や、パワー・マネジメント・スイッチ、負荷スイッチに向ける。「パワーMOSFETにはnチャネル品とpチャネル品があり、一般には電力損失が小さいnチャネル品が使われる。しかし、ハイサイドスイッチにnチャネル品を使うと、入力電圧よりも高いゲート電圧が必要となり、回路構成が複雑になる。一方のpチャネル品は入力電圧よりも低いゲート電圧で駆動できるため、回路構成を簡素化でき、設計負担を軽減できるというメリットがある」(同社)。

新製品の応用回路例
ロームの資料
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 −40V耐圧品と−60V耐圧品それぞれ、パワーMOSFETを1個搭載したシングル品「RQxxxxxAT/RDxxxxxAT/RSxxxxxAT/RFxxxxxATシリーズ」を9製品、2個搭載したデュアル品「UTxxx5/QHxxx5/SHxxx5シリーズ」を3製品用意した。各製品のパッケージと最大ドレイン電流は下図の通りである。

新製品の製品ラインアップ(シングル品)
ロームの資料
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新製品の製品ラインアップ(デュアル品)
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 例えば、−40V耐圧品でオン抵抗が5.2mΩと最も低い「RS1G201AT」の特性は以下の通り。最大ドレイン電流は−78.0A。ゲート-ソース間電圧が−10Vのときのオン抵抗は4.2mΩ(標準値)。全ゲート電荷量は130nC(標準値)。入力容量は6890pF(標準値)。出力容量は770pF(標準値)。帰還容量は590pF(標準値)。パッケージは8端子HSOP。

 24製品いずれも、すでに月産100万個体制で量産を始めている。サンプル価格は200円(税別)である。今後同社は、電力損失が少ないnチャネル型パワーMOSFETでも、第5世代の微細プロセスを適用した製品の開発を進める考えだ。