オムロンは2022年1月上旬、同社の協働ロボット「TM」シリーズの周辺機器群「Plug & Play」のラインアップにキヤノンの画像処理ソフト「Vision Edition-T」を追加する。同時期にキヤノンも同ソフトを発売する。ネットワークカメラと同ソフトの連携によって協働ロボットの“目”の機能を果たし、それによって検査工程の自動化やマシンテンディング(協働ロボットによる加工機へのワーク投入や取り出し作業)を支援する(図1)。

図1 協働ロボットとネットワークカメラ、「Vision Edition-T」の連携イメージ
図1 協働ロボットとネットワークカメラ、「Vision Edition-T」の連携イメージ
(出所:キヤノン)
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オムロンのニュースリリース: https://www.omron.com/jp/ja/news/2021/12/c1221.html キヤノンのニュースリリース: https://global.canon/ja/news/2021/20211221.html

 Vision Edition-Tは、TMシリーズに標準搭載の内蔵型カメラに加えて、キヤノン製・スウェーデンAxis Communications製のネットワークカメラと組み合わせて使える*。ネットワークカメラと連携させれば、内蔵型カメラでは捉えられないエリアも把握できるため、従来は人の目視に頼らざるを得なかったケースや、確認箇所ごとに複数の外付けカメラを設置する必要があったケースにも対応でき、追加工数やコストを減らせる。

* Axis Communicationsはキヤノンの完全子会社。

 例えば検査工程では、協働ロボットの作業と並行して撮影と画像処理を実行できるため、内蔵型カメラを使う場合に比べてタクトタイムを縮められる(図2、3)。内蔵型カメラを使う場合、ロボットアームが検査対象の撮影位置に移動・停止してから撮影しなければならず、タクトタイムが長くなるという課題があった。

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図2 Vision Edition-Tとネットワークカメラを利用した検査工程
図2 Vision Edition-Tとネットワークカメラを利用した検査工程
(出所:オムロン)
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図3 協働ロボットの作業と並行した画像処理のイメージ
図3 協働ロボットの作業と並行した画像処理のイメージ
(出所:キヤノン)
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 Vision Edition-Tを組み合わせれば、ネットワークカメラ1台で複数箇所の撮影と検査が可能で、コストダウンとシステムの簡素化を図れる。ロボットの手元を撮影する内蔵型カメラと広範囲を撮影するネットワークカメラの映像の使い分けも可能。ロボットの作業に連動して効率的に画像処理を実行できる。

 その他、生産ラインにおける加工機へのワークの投入・取り出しの自動化を想定する(図4、5)。ネットワークカメラのパン・チルト・ズーム・オートフォーカス機能を用いて撮影した広範囲の映像情報をVision Edition-Tで処理し、状況に応じた指示をロボットに出せる。

図4 ネットワークカメラを用いて加工機の情報を取得する様子
図4 ネットワークカメラを用いて加工機の情報を取得する様子
(出所:オムロン)
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図5 マシンテンディングの活用イメージ
図5 マシンテンディングの活用イメージ
(出所:キヤノン)
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 従来、ロボットを用いて加工機を操作するには、ロボットと加工機をケーブルで接続して加工機の情報を取得する必要があった。ネットワークカメラを天井に設置してVision Edition-Tと組み合わせれば、加工機のモニターに表示された文字や数字をカメラの映像から認識でき、配線レスでさまざまな情報を得られる。ロボットアームが届かない場所も確認できるため、部品残数の確認や生産ライン全体の稼働状況の把握など、マシンテンディングの活用場面を増やせる。