台湾MediaTek(メディアテック)は、5Gスマートフォン向けSoCのフラグシップ品(最上位品)として「Dimensity 9000」を2021年12月16日(現地時間)に発表した ニュースリリース 。新製品は、米Qualcomm Technologies(クアルコムテクノロジーズ)が21年11月30日に発表した、スマホ向けSoCのフラグシップ品「Snapdragon 8 Gen 1」*1と真っ向勝負するスペックとなっている。

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新製品の5Gスマートフォン向けSoC「Dimensity 9000」
新製品の5Gスマートフォン向けSoC「Dimensity 9000」
(出所:MediaTek)
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 例えば、CPU。どちらも8個のCPUコアで構成し、そのうちの1つは英Arm(アーム)の「Cortex-X2」である。これは、Armの最新アーキテクチャー「Armv9-A」を採るスマホ向けのハイエンドCPUコアで、21年5月に発表された*2。Cortex-X2の最大動作周波数はDimensity 9000では3.05GHz、Snapdragon 8 Gen 1では3.0GHzと発表されている。残りの7つのCPUコアについてQualcommは3つが高性能コア、4つが低消費電力コアとしか発表していない。一方MediaTekは、3つは最大動作周波数が2.85GHzの「Arm Cortex-A710」(Armv9-Aアーキテクチャーの高性能コア)、4つは「Arm Cortex-A510」(同アーキテクチャーの低消費電力コア)と具体的に発表した。なお、ArmはArmv9-AアーキテクチャーのCPUコアがDimensity 9000に採用されたことを報道発表しているが ニュースリリース 、Snapdragon 8 Gen 1についての報道発表はない。また、どちらのSoCも4nm世代プロセスで製造する。製造プロセスについてもMediaTekはより具体的に発表した。Dimensity 9000は台湾TSMC(台湾積体電路製造)の4nm世代プロセス「N4」で製造する。

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 Dimensity 9000には上記の8つCPUコアに加えて、GPUコア「Arm Mali-G710 MC10」や8MバイトのL3キャッシュ、6Mバイトのシステムキャッシュ、帯域が最大7500Mビット/秒のLPDDR5Xに対応のメモリーコントローラー、さらに以下のような周辺回路を集積する。同社従来製品比で4倍の電力効率という推論処理アクセラレーター「APU(AI Processing Unit) 5.0」。18ビットHDRビデオを3つ同時録画可能で、320M画素カメラに対応し、処理性能が9G画素/秒のISP(Image Signal Processor)「Imagiq 790」。3GPP Release-16に対応し、3波キャリアアグリゲーション利用時にダウンロード速度が最大7Gビット/秒の5Gモデム、などである。さらに、Wi-Fi 6EやBluetooth 5.3、Beidou III-B1C対応のGNSSといった無線通信向け回路を内蔵する。

 新製品のSoCが備える高画質化技術「MiraVision 790」は、リフレッシュレートが144HzでWQHD+解像度のディスプレーやフレームレートが180フレーム/秒でFull HD+解像度のディスプレー、4K60解像度でHDR10+規格のWi-Fiディスプレーに対応する。ゲーム用技術として「HyperEngine 5.0」を備えており、APU 5.0などを使ってのAI処理をゲームでも実行できるようにした。

 Dimensity 9000は現在量産出荷中。中国OPPO(オッポ)や中国vivo(ビボ)、中国Xiaomi(シャオミ)、中国HONOR Device(オナー デバイス)といったスマートフォンメーカーがDimensity 9000搭載製品を、22年第1四半期中に出荷予定である。

Dimensity 9000の特徴
Dimensity 9000の特徴
(出所:MediaTek)
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