ヴァイナス(本社大阪市)は2019年12月25日、流体解析ツール「HELYX」(英エンジス)の新版「同 v.3.2.0」の国内供給を開始した。計算結果を流れ線などでグラフィカルに表示するポストプロセッサー機能を組み込んだ他、プリプロセッサ―機能に相当するメッシュ生成を強化し、「Python」でのマクロの記録・再生により解析計算を自動実行可能にするなどの改良を加えた。

 HELYXはオープンソースのソルバー「OpenFOAM」をベースにグラフィカルユーザーインターフェースなどを強化したツール。ヴァイナスは他のプリポストプロセッサ―を組み合わせてユーザーに提供しているが、簡単な結果表示ならHELYXの枠内で実行可能になったとしている。画面に「ビュータブ(View Tab)」を設け、ここを指示すると簡単な操作で解析結果のグラフィカルな表示が見られる(図1)。さらにマクロ機能により、メッシュ生成、境界条件設定、ソルバー実行、結果表示といった一連の作業をHELYXだけで完結できるようにした。

図1 「HELYX v.3.2.0」の「ビュータブ」による結果表示
(出所:ヴァイナス)
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 メッシュ生成機能では、狭い隙間を自動で埋めるラッピング機能を強化(図2)。メッシュの大きさとして指定した値の1個分(2個分とすることも可能)よりも狭い隙間はフタをして滑らかにならす。この際、埋めた部分のメッシュが周囲のメッシュより著しく小さいときは、周囲のメッシュを調整して細かさを徐々に変化させる機能も備えた。狭い空間領域にメッシュを切るときは、メッシュ形状を整えて必要以上にメッシュ数が増えないようにした(図3)。

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図2 メッシュの隙間を埋めるラッピング機能
周囲の大きなメッシュと、穴埋め部の小さなメッシュの間は、徐々にメッシュを小さくしてシミュレーション計算に影響が出ないようにしている。(a)が穴埋め前、(b)はラッピング機能の適(出所:ヴァイナス)
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図3 細い構造物にメッシュを施す
2つの円弧に挟まれて狭くなっている領域にも、従来(a)よりも形状の良好なメッシュ(b)を作成できる。(出所:ヴァイナス)

 以上のほか、構造物の解析と空間の解析を連成させやすいよう、共役熱伝達(CHT)ソルバーの構造を一部変更した。発熱体から空気中への熱伝達の解析時間などを短縮できる(図4)。並列計算にも対応させた。

図4 熱伝達解析の例
ブレーキディスクとブレーキパッドの摩擦で生じた熱が空気中に出ていく様子を再現計算した。(出所:ヴァイナス)
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 HELYXの年間ライセンス価格は252万円(税別、初年度保守料金を含む)。