米Maxim Integrated(マキシム・インテグレーテッド)は、電源回路の変換効率を最大で4ポイント高められる絶縁型ゲートドライバーIC「MAX22701E」を発売した(ニュースリリース)。SiC(炭化ケイ素)/GaN(窒化ガリウム)パワーデバイスの駆動に向ける。入力段回路と絶縁バリアー層、出力段回路を1チップに集積した。出力段はミラークランプを利用しており、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチを駆動できる。ハイサイドスイッチとローサイドスイッチのゲートドライバー間の伝搬遅延時間の整合特性は5ns(最大値)である。同社によると「この整合特性は、競合他社製品に比べて1/5と短い。このため電源回路のデッドタイムを削減できるので、変換効率を最大で4ポイント高められる。例えば、変換効率が90%から94%に向上したとすれば、電力損失を10%から6%に減らせるようになるため、二酸化炭素(CO2)の排出量を約40%低減できる」という。太陽光発電システム用インバーターやモーター駆動機器、電気自動車、大型蓄電装置、無停電電源装置(UPS)、産業機器や通信機器に向けたスイッチング電源モジュールなどに向ける。

効率を4ポイント高められるSiC向け絶縁ゲートドライバーIC。Maxim Integratedのイメージ
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 絶縁バリアー層は、いわゆるデジタルアイソレーション技術で作成した。2つのグラウンド層の間で、デジタル信号のやり取りが可能だ。絶縁耐圧は、60秒間であれば3kVRMSで、連続時の場合は848VRMSである。瞬時コモンモード除去電圧(CMTI:Common Mode Transient Immunity)は300kV/μs(標準値)を確保した。同社によると、「CMTIは、競合他社品に比べて最大3倍と高い。ノイズが多い環境における稼働時間を延ばせるようになる」という。

 ハイサイドスイッチ用ドライバーのオン抵抗は4.5Ωで、ローサイドスイッチ用ドライバーは2.5Ωである。ハイサイドのピーク出力電流は4A(標準値)、ローサイドは2.85A(標準値)である。最小パルス幅は20ns(最大値)。最大PWM周波数は1MHz(最小値)。伝搬遅延時間は35ns(標準値)。伝搬遅延時間の部品間の整合特性(いわゆる個体差)は2ns(最大値)。パルス幅歪み(PWD)は2ns(最大値)である。

 入力段回路には低電圧ロックアウト(UVLO)機能を搭載した。安全規格は「UL 1577」と「CSA Bulletin 5A」に準拠する。パッケージは、ナローボディー(狭幅)の8端子SOP。沿面距離と空間距離はどちらも4mmを確保した。動作温度範囲は−40〜+125℃。すでに販売を始めている。1000個以上購入時の米国での参考単価は1.69米ドルである。このほか、評価キット「MAX22701EVKIT#」も用意している。米国での参考単価は44米ドルである。