2020年も既に2カ月が過ぎ去った。桜が散れば間もなくオリンピック/パラリンピックが開催され、またたく間に2020年の終わりを迎えることになるだろう。だが、その間もITは日々進化を続けており、企業はそれに追随していく必要がある。多岐にわたるIT活用手段の中から、企業はどのような点に注意して取捨選択していけばよいのだろうか。

期待の「5G」、企業が注目すべき点は

 2020年に登場する「新たなIT」の代表格が「5G」だ。春ごろから大手キャリアの5Gサービスが順次開始され、新たなビジネスを生み出す契機として期待を集めている。だが、「通信の品質が高まるというだけでは、企業にとってメリットがあまりない」と考える方も少なくないだろう。実際に多くの企業は5Gサービスに対して冷静な姿勢を見せている。

 以下のグラフは年商500億円未満の企業700社に「新たなIT活用に際して導入したいネットワークサービスや望ましい特徴」を尋ねた結果である。

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 グラフ中、赤点線で囲った3つの項目(「多数同時接続」「低遅延」「高速・大容量」)はまさに5Gサービスの特徴そのものである。だが、回答比率は「IoTゲートウエイ/ルーター込みの回線サービス」「デバイスを遠隔で保守できる回線サービス」の方が高い。

 前者はIoT活用で必要になるネットワーク環境を導入する際の負担軽減、後者はそれらのネットワーク環境の運用負荷軽減に関わる項目だ。「IoT」や「デバイス」を効果的に活用するうえで、多数同時接続、低遅延、高速・大容量といった5Gサービスの特徴が重要な役割を果たすことは確かだが、調査結果を見る限り、企業の多くはネットワーク環境の導入/運用における負担の軽減を重視していることがわかる。

 5Gに関して企業の担当者が知っておくべき活用方法の一つが「ローカル5G」だ。ローカル5Gとは、特定の建物や敷地の範囲内で企業や自治体が個別に5Gネットワーク環境を設置/運用する形態を指す。

 例えば製造業では、生産設備を5Gネットワークで接続すれば、作業工程が頻繁に変わる場合でも、工場内のレイアウトを柔軟に変更できるようになる。建設業の現場であれば、建機の遠隔制御が可能になる。

 ローカル5Gの導入には免許取得が必要だが、今後は免許を取得した自治体や事業者が提供するサービスを、企業が利用するといったケースも増えると予想される。したがって企業が5Gサービスの活用を考えるときには、大手キャリアが提供する一般消費者向けの5Gサービスだけでなく、ローカル5Gにも目を向けておくことが大切だ。

 新たなITの活用を検討する際に気を付けたいのは、例えば5Gサービス場合、「4Gと比較して遅延が○分の1、速度は○倍」といった、表向きの“真新しさ”だけに目を向けてしまうことだ。その時点で、「ウチの会社には必要ない」という拙速な判断を下すことになりかねない。

 だが実際には「真新しさ」の背後に、ローカル5Gのような具体的なメリットが期待できるIT活用の可能性が隠れていることもある。それを見いだして取捨選択することが重要になってくるわけだ。

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