企業におけるIT活用の提案や計画の担い手は、「経営層」「本業に直結する現場部門」「経理/人事/総務などの間接部門」「情報システム部門」など様々だが、一般に、企業規模が大きくなると「情報システム部門」の主導力が高くなる傾向がある。

 だが、昨今ではDX(デジタルトランスフォーメーション)に代表されるIT活用の質的変化に伴い、この“担い手”の顔ぶれにも変化が見えはじめた。今回は「DX時代に向けて、IT活用の提案/計画を担うべきは誰なのか?」ということを、調査データから考えていく。

変化が求められるDX時代、もっとも重要な役割を果たすのは?

 冒頭で述べたように、企業においてIT活用の提案/計画を担う部門や職責は多岐に渡る。さらに「コンサルタントに助言を求める」「販社/SIer(システムインテグレータ)にプロジェクトを委託する」といったケースもあるだろう。社外も含めた選択肢を列挙すると以下のようになる。

社内の担い手候補
経営層 会社全体の方向性を決める権限を持つ職責(社長、CEOなど)
現場部門 本業に直結する業務を担う部門(製造業における製造部門など)
間接部門 間接業務を担う部門(経理部、総務部、人事部など)
IT関連部門 IT資産の管理/運用などを担う部門もしくは担当者
社外の担い手候補
ITコンサルタントIT活用の助言を行う社外の専門家(ITコーディネータなど)
業務コンサルタント経営や業務に関する助言を行う社外の専門家
士業 会計士、税理士、社労士、中小企業診断士
関連企業親会社やグループ会社
既存の販社/SIer既に取引実績のあるIT関連の販社/SIer
新規の販社/SIerまだ取引実績のないIT関連の販社/SIer
既存ベンダー既に取引実績のあるIT関連ベンダー
新規ベンダーまだ取引実績のないIT関連ベンダー

 以下のグラフは年商500億円未満の企業に対して、「働き方改革やIoTなど、DXに関連の深い新たなIT活用の提案/計画を担うのは誰か」について、複数回答で尋ねた結果である。2018年と2019年の結果を比較している(ここでは企業内の部門や職責に関するデータだけを示した)。

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 これを見ると、新たなIT活用の提案/計画の担い手として、「経営層」の占める割合が増え、「現場部門」「間接部門」「IT関連部門」は軒並み減っている。

 従来のIT活用では「既存の業務システムを維持し、安定稼働させること」が重要であり、経営層の目には「IT支出=コスト」と映りがちだった。しかし、生活のあらゆる場面でデジタル化が進むDX時代には、ITを駆使して企業のビジネスを進化させる取り組みが不可欠になっている。そのため、経営層にとっても、IT支出は「単なるコスト」から「戦略的な投資」へと変わりつつある。上記の調査結果はこのことを裏付けるものと言える。

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