スケジューラや掲示板を備えたグループウエアは情報共有の手段として既に多くの企業に導入されている。だが、クラウドやスマートデバイスの登場により、昨今ではどこでも手軽にかつ高い頻度で情報を共有できるようになってきた。その結果、グループウエアに求められる役割も「情報共有」から「共同作業」の支援へと拡大しつつある。

変わる情報共有の頻度と粒度

 冒頭で述べた「どこでも手軽にかつ高い頻度で情報を共有できる」の実現手段として、多くの読者が真っ先にイメージするのが「チャット」だろう。SNSが備えるチャット機能を家族や友人とのやりとりに利用している読者も多いはずだ。これを企業向けのサービスとして提供しているのが「ビジネスチャット」だ。短いテキストメッセージによる対話に加えて、組織やプロジェクトに合わせた権限管理、タスク管理、ファイル共有、外部システム連携などが行える。

 一方で、グループウエアにも同様に権限管理が備わっており、スケジューラによるタスク管理や掲示板によるファイル共有が可能だ。では、グループウエアとビジネスチャットの本質的な違いはどこにあるのだろうか?

 最も大きな違いは情報共有の頻度と粒度だ。グループウエアが登場した初期の頃は1日に数回、いくつかの情報をまとめて参照するという利用形態が一般的だった。だが、ビジネスのスピードが速くなるにつれて、最新情報をまとめて参照する「ポータル」や、PC画面上に常駐して新着情報を通知する「リマインダ」などの機能がグループウエアにも備わっていった。

 そして昨今では、クラウドやスマートフォンの普及によって、いつでも情報共有ができる基盤が整ってきた。その結果、ビジネスパーソンの多くがビジネスチャットによって粒度の小さな情報を高い頻度でやり取りするようになってきた。

 業務のスタイルも徐々に変わりつつある。グループウエアでスケジューラや掲示板を参照していた頃は「情報をまとめて取得し、それを個々の業務場面で活用していく」という利用形態が多かった。一方、ビジネスチャットでは「業務の流れの中で必要が生じたときに、その都度情報を取得する」という利用形態が多い。つまり、グループウエアが登場し、それが徐々に洗練され、ビジネスチャットが登場するという一連の過程の中で「情報共有」が高頻度/小単位となり、情報主体から業務主体の「共同作業」へ進化していったと捉えることができるわけだ。

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