米シーバ(CEVA)は、さまざまなセンサーを集約する「センサーハブ」に向けた新たなDSPアーキテクチャー「SensPro」を開発し、このアーキテクチャーを採る新たなDSPコアを3つ発表した(ニュースリリース)。日本シーバによれば、SensProアーキテクチャーのDSPコアは、同社の画像認識/コンピュータービジョン/深層学習向けDSPコア「CEVA-XM4/XM6」の後継に当たるという(関連記事「画像認識/CV向けDSPコア、8倍高速な第4世代品をCEVAが発表」)。

SensProの特徴
出所:CEVA
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 SensProは、カメラやレーダー、LiDAR、ToF(Time of Flight)センサー、マイクロホン、慣性センサーといったさまざまなセンサーの出力を集約する「センサーハブ」に搭載されるSoC/ICに向けたDSPコアのアーキテクチャーである。各種センサーからの信号/データから周辺の状況を認識可能な、いわゆる「コンテキストアウェア」な機器の実現に寄与するという。

 同社はCES 2020の際にも、コンテキストアウェアな機器の実現に寄与するプラットフォームとして「SenslinQ」を発表している(関連記事「周辺の状況を認識可能なIoT機器を作るSoC、シーバが開発基盤を20年Q2提供」)。狙いは基本的に同じだが、「CES 2020の際に発表したSenslinQは、当社のDSPコアなどに搭載するソフトウエア。一方、今回発表のSensProはハードウエアのDSPコアとして実装されるアーキテクチャーである」(日本シーバ)。

 SensProは、コンフィギュラブルな8ウエーのVLIWアーキテクチャーで、さまざまなアプリケーションに容易に対応できるという。このアーキテクチャーのDSPコアを7nmプロセスで製造した場合、1.6GHzで動作可能だとする。SensProでは、演算向けにスカラー処理部とベクトル処理部を備える。そのスカラー処理部は、「CEVA-BX2」の同処理部を継承している。CEVA-BX2は同社が2019年1月に発表した新プロセッサーアーキテクチャーで、DSPとコントローラーの2つの機能を備えているとされる(関連記事「米シーバが新プロセッサーアーキテクチャー「CEVA-BX」を発表、コアの新製品も」)。今回発表のSensProのスカラー処理部は、4.3CoreMark/MHzの能力で、制御コードを実行できるという。

SensProの構成
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 一方、SensProのベクトル処理部はSIMDアーキテクチャーを採り、最大1024個の8ビット×8ビットのMAC(積和演算器)、最大256個の16ビット×16ビットのMAC、最大64個の単精度浮動小数点MAC、最大128個の半精度浮動小数点MACなどを含む。このベクトル処理部は、8ビットのニューラルネットワークの場合で3TOPsの推論処理能力、2ビットのニューラルネットワークの場合で20TOPsの推論処理能力があるという。また、浮動小数点演算能力は400GFLOPSを実現できるとする。このほか、SensProには、400Gバイト/秒のメモリー帯域、4ウエーの命令キャッシュ、2ウエーのベクトル・データ・キャッシュといった特徴があるという。

 今回、CEVAは、SensProアーキテクチャーのDSPコアを3製品発表した。画像処理や音声処理向けの「SP250」、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)向けの「SP500F」、AIアプリケーション向けの「SP1000」である。一般ライセンスの提供開始は2020年第3四半期の予定。

SensProアーキテクチャーを採るDSPコア3製品の概要
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