新型コロナウイルス感染拡大への対応策として、マスク増産に取り組んでいるアイリスオーヤマ。これに加えて同社はAI推論処理機能を備えた産業用カメラを発売し、マスク着用のチェックや非接触で多数の人の体温を同時測定できるようにする。

 アイリスオーヤマは、AI推論処理機能を備えた監視カメラを2020年4月13日に発表した(ニュースリリース1)。AI推論機能を備えていない監視カメラや、撮影した動画を記録するビデオレコーダーを含めて、「AIカメラ」というシリーズ名を付けた。

ドーム型製品(左端)の例と、AI推論処理機能などの概要
(出典:アイリスオーヤマの製品カタログ)
[画像のクリックで拡大表示]

 AI推論処理機能を備えた監視カメラでは、さまざまな認識や分類といった処理が機器内で可能である。例えば、画像全体からの人物や顔、車両の認識(抽出)、さらに認識した人や顔の分類、マスクやヘルメットの着用の有無のチェック、車両のナンバープレートの読み取り、不審行動(者)の割り出しといったことが行えるという。分類したデータをヒートマップなどにして可視化も可能である。

 同社によれば、顔認識に掛かる時間は0.2秒以内でマスクを着用した人でも可能とする。認識結果から性別や年齢など最大15項目の属性で人を分類できる。推論処理機能の内蔵で監視カメラ側からクラウドへ送出するデータ量は1/100以下に削減でき、ネットワークへの負荷を低減した。

 最初に発表されたAIカメラシリーズは、AI推論処理機能を備えた監視カメラが20種類(解像度や形状、レンズ、測距用赤外線の到達距離などが異なる)、同機能がない監視カメラが10種類(同)、ビデオレコーダーが8種類である。顔認識が可能な監視カメラの価格は31万7500~53万5000円、同機能がない監視カメラでは6万~52万円、ビデオレコーダーは20万2500~39万5000円とする。価格はいずれも税抜き。発売日は20年4月20日。

最大20名の体温を同時測定

 同社は続く20年4月15日にはAIカメラシリーズの応用編と言える「AIサーマルカメラ」を発表した(ニュースリリース2)。上述したAIカメラは遠くからでも監視が可能な機器だが、AIサーマルカメラは近くにいる人の体温を非接触で測る機器である。例えば入場ゲートなどに設置して、そこを通る人の体温を非接触かつほぼリアルタイムで確認できる。監視カメラと同じ形状のドーム型の機種と手持ちも可能なハンディー型があり、それぞれ3m以内、1m以内にいる人を測温できる。

左から、AIサーマルカメラのドーム型、ハンディー型、測温のイメージ
(出典:アイリスオーヤマのニュースリリース)
[画像のクリックで拡大表示]

 AI推論処理機能を備え、マスクをしている人でも額の表面温度などから体温測定を可能にした。測定時間は1秒以内。測定温度範囲は30~45℃。測定誤差は±0.5℃とする。ドーム型の機種は最大20名まで同時に測定できる。ドーム型の税抜き参考価格は90万円。ハンディー型は25万円。発売日は20年4月20日。