ゼンリンと日立製作所は2021年5月20日、長崎市での観光型MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)実証に向けて協業したと発表した。ゼンリンの地図情報と、日立のデジタルチケッティングや決済基盤を組み合わせ、スマホ向けアプリケーションを開発する。

 「地図データと位置情報、決済基盤を組み合わせたアプリを提供する」。ゼンリンの事業統括本部IoT事業本部MaaS企画部の藤尾秀樹部長はこう話す。長崎市の実証は2021年秋から2022年3月を予定する。対応OSはAndroid OS/iOSで、インストールは無料。

観光型MaaS基盤の概要
出所:日立製作所
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 一人旅や少人数旅をしたい20代から30代の男女がメインターゲットだ。利用者がスマホにアプリをインストールして、クレジットカード情報を登録すると、公共交通機関の1日乗り放題の乗車券や観光施設の入場券がアプリ内で買える。さらに移動に合わせてポイントが貯まり、景品と交換できるようにする。

 ゼンリンの地図データベース「Mobility based Network」や日立の決済機能、位置情報で観光客の行動や購買履歴を可視化して、観光客の移動などに応じて飲食店や観光施設のレコメンドをデジタルマップ上で表示する。飲食や歴史などに関して、地域のユーチューバーや学生が書いた記事なども読める。

 日立製作所の金融システム営業統括本部事業企画本部渡邉貴雄担当本部長は「今後、ダイナミックプライシングの導入なども検討する」と話す。実証で得られた観光客の移動データなどを使い、AI(人工知能)を用いて電子チケットの価格を変動させる。例えば混雑度を平準化できるなどの効果を見込む。観光客にとっても状況によってはチケットの価格が安くなるなどのメリットがある。

 ゼンリンと日立は長崎市での実証を通じて観光型MaaSのアプリやビジネスモデルを検討した上で、他の観光地にも同取り組みを広げたい考えだ。