日立製作所は2021年5月24日、自宅やサテライトオフィスなどから参加できる重要インフラ事業者向けのサイバー防衛訓練サービスの提供を始めると発表した。これまでは日立の大みか事業所(茨城県日立市)などで訓練を受ける必要があったが、新サービスは新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、場所を限定せず、オンラインで訓練を受けられるようにした。

 6月1日から、電力や鉄道、上下水道といった重要インフラ事業者向けに「オンラインNxSeTA」の提供を始める。受講者はリモートで訓練システムにログインし、サイバー攻撃やログ解析などを体験できる。訓練時の行動記録などをもとに、分析や判断といったスキルだけでなく、人・組織の連携といった視点でも対応力を評価し、教育や訓練計画の策定に生かす。

 日立の石場光朗制御セキュリティ戦略部部長は米石油パイプラインに対するサイバー攻撃などを踏まえ、「現場力やレジリエンス(復元力)の強化が必要だ」と語った。

 新サービスの価格は2日間の訓練に約20人が参加するケースで数百万円を想定する。オンラインだけでなく、大みか事業所などでの実施分も含めて、2022年度に2020年度比で2倍の延べ2000人の受講を目指す。日立は2017年にサイバー攻撃に対応するための総合訓練・検証施設を大みか事業所内に開設。2020年には、日立の講師が顧客の拠点に出向く方式の訓練サービスを追加していた。