東芝は2020年6月10日、人工知能(AI)によってオンライン授業の講師の音声を自動で字幕にするシステム「ToScLive」を発表した。2020年6月中に慶応義塾大学と法政大学の授業で実証実験を開始する予定だ。実証実験によって検証や改良をしたうえで、1年から1年半後をめどに製品化する。料金は未定だ。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大学をはじめ学校の授業はオンライン化が進んでいる。オンライン授業で字幕を配信することにより「授業音声の聞き逃しを防いだり、授業内容の振り返りを効率化したりできる」と東芝の岩田憲治研究開発センター研究主務は話す。

 ToScLiveは音声認識AIによってリアルタイムに字幕を生成し配信する。音声認識の精度は85パーセントほどで、字幕だけで発言内容を理解できるという。

 クラウドサービスとしてToScLiveを提供し、既存のオンライン会議システムと組み合わせて使えるようにする。講師が学生に字幕閲覧専用ページのURLを送り、学生はパソコンやスマートフォンのWebブラウザーでそのページにアクセスし、別途開いたオンライン会議のウインドウと並べて字幕を見る仕組みだ。学生はアプリのダウンロードやアカウントの作成などが必要ない。

 ToScLiveの音声認識AIは数十万単語の語いを持っているという。必要に応じて専門用語を追加登録できるようにした。追加登録の手間を軽減するため、講義資料などのテキストデータから専門用語を自動抽出する機能を用意した。