医療ベンチャーのTXP Medical(東京・文京)は2021年8月16日、新型コロナウイルス感染症患者の入院調整をスムーズにする新システムを開発し、山口県が導入したと発表した。山口県ではこれまで保健所や医療機関とファクスやメールで入院調整をしていたが、2021年8月2日から全て新システムに切り替えた。

 導入した新システムの名称は「Yamaguchi COVID-19 Information Sharing System(YCISS)」。TXP Medicalがクラウド上に構築し、データベースは米Claris International(クラリスインターナショナル)のデータベースソフト「Claris FileMaker」で作成した。医療機関が患者の病状報告を入力したり、保健所が疫学調査の情報を入力したりすることで、入院調整に必要な情報を一覧して共有できるようにした。山口県は新型コロナ患者の入院調整に関連する県下の全ての保健所(9施設)、重点医療機関(7施設)、入院協力医療機関(28施設)を対象に新システムを導入した。

新システムの画面イメージ
新システムの画面イメージ
(出所:TXP Medical)
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 山口県ではこれまで保健所や医療機関が入院患者の病状報告などをやり取りするのに、ファクスを送ったりPDF化した紙の資料をメールに添付したりしていた。そのため患者数が増えた「(2021年3~5月の)第4波の時期に入院調整が滞った」(山口県コロナ対策室の担当者)という。保健所の職員はファクスなどで受け取った情報をシステムに手入力しており、山口県はその負担を軽減するため、患者の入院調整に必要なデータを初めからオンラインでやりとりできる新システムの導入に踏み切ったという。

 一方、新型コロナ感染者の情報について、保健所などは厚生労働省が開発・運用している「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」にデータを入力して管理している。今後はHER-SYSと新システムのデータを連携し、新システム側にデータを集約できるようにする計画という。