NTTドコモは2021年9月1日、SIMカードを差し替えずにオンラインで携帯電話サービスを変更できる「eSIM」の提供を9月8日に始めると発表した。「ドコモオンラインショップ」やオンライン専用ブランド「ahamo(アハモ)」のサイトでeSIMの契約を申し込むと、最短1時間程度でサービスを利用可能になるという。

 端末を変えずに契約先の携帯電話会社を切り替える場合、これまでは電話番号など加入者情報(プロファイル)が書き込まれたSIMカードを差し替える必要があった。大手携帯電話会社では一般に、この作業を携帯ショップで実施している。こうした窓口を持たないMVNO(仮想移動体通信事業者)の場合、利用者の申し込み後にSIMカードを契約者に送付する手間やコストがかかっていた。

 一方のeSIMはネット経由で端末のプロファイルを書き換えるので、わざわざ携帯ショップに赴いたり、SIMカードが郵送で届くのを待ったりせずに済む。これにより回線切り替えのハードルが下がり新たな利用者を獲得しやすくなるとして、新興携帯電話会社の楽天モバイルや一部のMVNOが先んじて導入。政府も競争促進につながるとみて携帯大手にeSIMの導入を促してきた。

 加えて近年は米Apple(アップル)の「iPhone」や米Google(グーグル)の「Pixel」などeSIM搭載スマホの品ぞろえが拡大した。アップルの「iPad」、米Microsoft(マイクロソフト)の「Surface」などタブレットの対応も進んだ。

 こうした背景から携帯大手はeSIM対応を段階的に進めてきた。例えばソフトバンクは「ワイモバイル」とオンライン専用ブランドの「LINEMO(ラインモ)」で2021年3月から、「ソフトバンク」ブランドで7月からeSIMで契約できるようにした。KDDI(au)も2021年3月から「povo(ポヴォ)」、8月から「au」ブランドでのeSIM対応を始めた。「UQモバイル」ブランドでも9月中をめどに対応を始める方針だ。ドコモの今回の発表で大手3社の対応方針が出そろったことになる。