治療用アプリを手掛けるCureApp(東京・中央)が、高血圧を対象とした治療用アプリの薬事承認の申請を実施した。2022年の承認取得と保険適用を目指す。承認申請のために実施した治験では、薬を飲んでいない患者を対象に治療用アプリの降圧効果を確認した。

高血圧対象の治療用アプリのイメージ
高血圧対象の治療用アプリのイメージ
(出所:CureApp)
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 高血圧対象の治療用アプリは、Bluetoothに対応した血圧計を用いた血圧モニタリングの結果と、生活習慣の記録から最適化された食事や運動、睡眠などに関する行動変容を促す情報を自動で提供する。入力したデータを解析処理することで、アプリが患者に応じたメッセージを表示する。患者は看護師のキャラクターと会話していく形式で、減塩や体重管理などに取り組む。

 治験は直近3カ月以上降圧薬による治療を受けていない20歳以上65歳未満の患者を対象とした。高血圧治療ガイドラインに沿った生活習慣の修正のみを実施した191人の対照群と、ガイドラインに沿った生活習慣の修正に加えて治療用アプリを利用した199人の介入群に分けて比較検討した。

 治療開始12週時点において24時間モニタリングした血圧の変化をみると、対照群と介入群の群間差はマイナス2.4mmHgで有意な降圧効果を示した。過去に発表された論文の計算式を参考にすると、マイナス2.4mmHgの差は脳心血管病の発症リスクが10.7%低下すると推定できるという。

 高血圧は脳卒中や心疾患の最大のリスク因子とされている。国内で高血圧の推定人口は約4300万人だが、継続的に治療を受けていると推測される患者は約1000万人と限られるのが現状だ。一般的に高血圧の低・中等リスクの患者は、薬を使う前に生活習慣の改善から治療を始める。今回の治療用アプリの治験を担当した自治医科大学内科学講座循環器内科学部門の苅尾七臣教授は2021年9月3日に開催した会見で「アプリを活用すると個人ごとに適した行動変容を支援できる。降圧の効果を促進し、患者の治療に貢献できると考えられる」と話した。