富士通は2021年9月8日、AI(人工知能)を活用した化学文書検索サービスの提供を開始したと発表した。SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)版とパッケージ版の2種類を用意し、販売価格(税別)はSaaS版が年額1000万円から、パッケージ版が1600万円(初期費用は100万円)。同社が実施した実証実験の結果、これまで約5日かかっていた検索業務を1日に短縮できたという。

 サービスの名称は「FUJITSU Digital Laboratory Platform SCIDOCSS(サイドックス)」。同サービスではキーワードや化学構造式に加え、数十行にわたる文章や化合物の通称による検索に対応した。AIが検索キーワードの頻出度や入力した化学構造式との合致度などを基に、ユーザーにとって重要度の高い情報を判定。同サービスに内包する化学文書データベースから、重要度が高い順に検索結果を表示できる。

「FUJITSU Digital Laboratory Platform SCIDOCSS」の検索結果画面
(出所:富士通)
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 特許を含む化学文書は化合物の物性値や合成方法などが記載されており、新しい材料を開発するアイデアを得るためのリソースとして有用だ。ただ化合物の命名法には国際的なルールがあるものの、化合物によっては正式名称よりも通称のほうが一般的なものもある。このため、検索ならびに検索した情報が有用かどうかの判断に労力や時間を要することが課題となっていた。