新たなSCM(サプライチェーン管理)ソフトベンダーが日本に上陸する。米国に本社を置くo9 Solutions(オーナインソリューションズ)だ。o9 Solutionsは需給計画や販売計画、需要予測などを支援する「計画系」と呼ばれる分野の機能をクラウドサービスとして提供する。同社が本格的に日本でビジネスを展開する前から注目されるのは、米アイツーテクノロジーズ(i2 Technologies、i2)の創業者であるサンジブ・シドゥ氏が設立した企業だからだ。

 i2は2000年代前半を中心に、o9 Solutionsと同じ計画系ソフトウエアを主力として日本市場でも大手製造業を中心に導入が進んでいた。しかし2008年8月、同業である米JDAソフトウェア(JDA Software)がi2の買収を発表。その後にシドゥ氏が立ち上げたのがSCMのコンサルティングやソフトウエア開発を手掛けるo9 Solutionsだ。

 o9 Solutionsはまさにi2と同じ分野のソフトウエアを開発・販売し、再び市場に参入した格好だ。米国では2014年から既にソフトウエアを提供済み。その後、欧州などにも展開し、日本法人であるo9ソリューションズ・ジャパンは2019年8月から本格的に始動する。

 o9ソリューションズ・ジャパンで副社長を務める川浦和明 副社長営業統括は、「i2をはじめ2000年代前半には計画系ソフトの導入が進んでいた。しかし現在、計画系ソフトを利用している企業は少なく、予測の計算に利用されるのは表計算ソフトが中心。o9 Solutionsでこうした状況を再び変えていきたい」と話す。

 「o9 Solutionsの米国本社や日本法人の社員の多くは、i2テクノロジーズに勤務していた。i2で蓄積した経験や反省をo9 Solutionsの製品開発に生かす一方で、AI(人工知能)といった新しい技術を積極的に取り入れている」と、自身もi2に在籍経験を持つ川浦副社長は強調する。

敵だったExcelから利用可能に

 川浦副社長が話す過去の経験を生かした1つが、2000年代中ごろのi2製品と比べて製品の柔軟性を高めたことだ。ユーザーが開発した需要予測のモデルを追加できるようにしたり、Excelのアドオンとしてソフトウエアを利用可能にしたりするなど「ユーザーに選択肢を用意している」(川浦副社長)という。

 需要予測のモデル開発では外部のAIライブラリーなどを利用して開発した独自のモデルを、製品に組み込んで利用可能にした。i2時代の製品の場合、「i2が用意した21種類の統計モデルしか需要予測に利用できなかった」と原田健司バイスプレジデントは説明する。21種類にはクロス集計や移動平均といった簡単なものも含まれる。用意されたモデルではユーザー企業の高度な予測ニーズを満たすには不十分だった。

 o9 Solutionsのソフトウエアでは自由にモデルを組み込めるため、「全国展開する企業が本社の専門家が作った需要予測モデルを各支店に展開し、各支店が持つデータでそれぞれ需要予測をする」といった使い方も想定している。

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