ソニーネットワークコミュニケーションズ、NECネッツエスアイ、オリックスの3社は2019年9月30日、共同でLPWA(ローパワー・ワイドエリア)の公衆回線の商用サービスを同日開始したと発表した。見通しで100km以上離れていたり、時速100km以上で高速移動していたりしても通信可能であるといった規格上の強みを生かし、他事業者が先行する公衆LPWA市場で追い上げを図る。

サービス名に含まれる「ELTRES」はソニーが開発したLPWAの規格名だ
(出所:ソニーネットワークコミュニケーションズ)
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 サービス名称は「ELTRES(エルトレス) IoTネットワークサービス」。ソニーが開発したLPWA規格「ELTRES」に準拠した基地局を全国に設置し、法人向けに公衆回線サービスを提供する。当初は東名阪の主要都市でサービスを始め、2020年度上期中に全国展開する予定。ソニーネットワークコミュニケーションズが開設した同サービスのエリアマップによると、東京都では23区と多摩東部、埼玉県東部、大阪府堺市~兵庫県神戸市の臨海部一帯は幅広いエリアがサービス圏内になっている。

 LPWAの公衆回線を巡っては、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの通信大手3社が「セルラーLPWA」と呼ばれるLTEの派生規格による商用サービスを展開するほか、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が「Sigfox」方式の商用サービスを2017年2月から提供中だ。公衆回線以外にも、特定のエリア内に「LoRa」方式の基地局を設置して法人向けサービスを展開するシステム会社が多数ある。

 ソニー陣営は最後発での商用化となるが、長距離や高速移動中でも通信できる安定性、通信モジュールにGPSの受信機能を集積し位置情報を活用しやすい点などを売りに追い上げを図る。NECネッツエスアイがLPWAを活用したソリューションの企画・展開を、オリックスが法人営業をそれぞれ担うほか、端末やソリューションの開発・販売で114社とパートナー契約を締結している。