デジタル庁は2021年10月26日、地方自治体や中央官庁が共同利用する「ガバメントクラウド」の先行事業にあたり利用する対象クラウドサービスを発表した。米アマゾン・ウェブ・サービスの「Amazon Web Services(AWS)」と米グーグルの「Google Cloud Platform(GCP)」を採択した。

 ガバメントクラウドはデジタル庁が2025年度末までに整備し、原則として全自治体が活用する基盤システムだ。デジタル庁は複数のクラウドサービス利用環境を整備・運用して、中央官庁や自治体の共通的な情報システムの基盤・機能を提供する。ガバメントクラウドが整備されると、自治体はこれまでのように自らサーバーなどのハードウエアやソフトウエアを所有したり、個別に情報セキュリティー対策や運用監視をしたりする必要がなくなる。

 対象クラウドサービスに加えて、先行事業の対象自治体も発表した。応募した52団体のうち、神戸市、倉敷市、盛岡市、佐倉市、宇和島市、須坂市、美里町、笠置町の計8団体を採択した。

 先行事業では、まずガバメントクラウドのテスト環境で自治体の基幹業務などのシステムやアプリケーションを稼働させ、クラウド環境や回線などが安心して利用できると検証したうえで、システム移行方法や投資対効果を検証する。その上で、2022年度内に順次本番環境に移行を進める計画である。

 ガバメントクラウドの先行事業を巡っては、デジタル庁の前身である内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室(当時)が準備を進め、2021年6月に自治体の募集を始めた。当初計画では2021年7月にクラウドサービス提供事業者を決定したうえで、8月中旬に採択自治体を決定し、9月に先行事業を始める予定だった。

 事業者の決定が遅れ、先行事業開始も遅れた。2023年度からガバメントクラウドの本格移行期とする当初計画は変えない見込みで、自治体と連携しながらシステム構築と移行を着実に進められるかが今後の課題となる。