富士通は2020年10月27日、2021年3月期第2四半期(2020年4~9月期)の連結業績(国際会計基準)を発表した。売上高にあたる売上収益は前年同期比10.8%減の1兆6318億円、営業利益は同12.4%減の622億円だった。新型コロナウイルスの影響でシステム開発プロジェクトの延期が相次ぎ、業績を押し下げた。ただ全体としては想定の範囲内として、2021年3月期通期の業績予想は据え置いた。

 本業の「テクノロジーソリューション」については、売上収益が同7.2%減の1兆3774億円、営業利益が同33.7%減の423億円、営業利益率は同1.2ポイント減の3.1%だった。コロナの影響は売上収益でマイナス1002億円、営業利益でマイナス309億円だった。「2020年度の上期はコロナの影響を最も強く受けた。内容はプロジェクトの延伸がほとんど。とりあえず今はスタートできないという顧客が多い」。CFO(最高財務責任者)を務める磯部武司取締役執行役員専務はこう語った。

 自動車をはじめとした製造業のほか、給付金事務に携わる自治体や患者に対応する医療機関の顧客を中心に、システム開発プロジェクトを始める時期を延期するケースが増えたという。ただ、下期からは延期されたプロジェクトが動き出すとみており、「国内は受注のデマンドが戻ってくるのではないか」(磯部CFO)。2020年7月に発表した2021年3月期通期の業績については、売上収益を3兆6100億円、営業利益を2120億円とする業績見通しを据え置いた。

 富士通はテクノロジーソリューションを大きく2つに分けている。デジタル変革を中心にしたデジタル関連事業で同社の成長をけん引する「For Growth」と、基幹システムの受託開発をはじめとする従来型ITサービスで同社に安定的な収益をもたらす「For Stability」である。2020年4~9月期のFor Growthの売上収益は前年同期比235億円増の4591億円、テクノロジーソリューションに占める割合は33%だった。同社は2022年度に同割合を37%に高める目標を掲げている。