損害保険ジャパン日本興亜は2019年9月中に、AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)を使ったシステムを開発するITベンダー向けに、システム納入後の本番環境における性能を保証する「性能保証保険」を発売する。ベンダーが開発、納入したAI/IoTシステムが、ユーザー企業に対して事前に約束した性能を発揮できなかった場合、損保ジャパンがITベンダーに代わってシステム導入費用をユーザー企業に補償する。

性能保証保険のイメージ、図中の「貴社」はITベンダーを指す
(出所:損害保険ジャパン日本興亜)
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 性能保証保険において損保ジャパンに保険料を支払って契約を結ぶのはシステムを開発するITベンダーだ。主に製造業向けに不良品の検出や故障の予兆検知といったシステムを開発する企業を想定する。自社のシステムに保険を付けることで、本番稼働後の誤作動や性能未達といったユーザー企業が抱えるリスクを軽減し、ユーザー企業の本番導入を後押しする狙いがある。

PoCで見つかったリスクを保険でカバー

 「(従来の)システムや設備と違ってAIには明確な性能の合意水準が作りにくい」。様々な事業に伴うリスク分析などを手掛けるSOMPOリスクマネジメントの小谷晃央アナリティクス部グループリーダーはこう話す。

 AIの場合、モデルはITベンダーが開発する一方、学習用データはユーザー企業が用意する。このため本番稼働後の性能や効果には不確実性が残る。多くのAI導入プロジェクトにおいて、そのリスクはユーザー企業が負っていた。結果、PoC(概念実証)を繰り返すものの本番導入に踏み切れないケースが多かったという。

 性能保証保険では例えば不良品検知AIの場合、PoCの後に「本番環境における検知率95%以上」などの性能を約束する契約を結ぶ。導入後にその性能を下回った場合、ユーザー企業はITベンダーに導入費用の返金を求めることができる。ITベンダーは契約に基づいて返金に応じ、発生した損害を損保ジャパンが補償する仕組みだ。

 ITベンダーにとっては、ユーザー企業に対して本番稼働後の性能を保証できることで開発システムの商品としての優位性も上がるという。損保ジャパンの大内健太郎コマーシャルビジネス業務部リスクソリューショングループ課長代理は「(ベンダーの)反応は上々だ」と話す。既にベンチャーから大手まで引き合いがあるという。

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