富士通研究所は2020年11月9日、同社とトロント大学と共同で開発した組み合わせ最適化問題を高速に解くアーキテクチャー「デジタルアニーラ」について、1メガビット規模の大規模な問題に対応する技術を開発したと発表した。デジタルアニーラによる8192ビット規模の最適化問題を解くサービスは2018年5月よりクラウドサービスとして提供している。今回開発した技術もデジタルアニーラのサービスで利用できるようにする計画だ。

 「デジタルアニーラ」は、様々な要因の組み合わせから最適な解を導く組み合わせ最適化問題に特化している。創薬や生産・配送計画作成、交通最適化などで、大規模な組み合わせ最適化問題を解くのに適している。今回、1メガビット規模を実現したことで、例えば生産計画の作成であれば従来は対象が数フロア分だったのに対し、新技術では工場全体まで拡大できる。

ビット規模によって変わる解ける問題の範囲
出所:富士通研究所
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 デジタルアニーラの大規模化には、アルゴリズムとハードウエアを共に改良した。アルゴリズムでは、計算の段階ごとに最適なビット更新を切り替える適応的並列探索技術を適用することで、効率よく探索処理をできるようにした。また、大規模化のために、従来1台だったサーバーを複数にするために、複数のサーバーを協調して計算する技術を開発した。

 新技術を使って、多品種少量のサーバー生産スケジュールを作成した。作業数100、設備数12、作業者数13、時間スロット65の設定条件で最適なスケジュールの計算し、解を得ることができた。