ヒロセ電機は2019年3月に、欧州SAPの「SAP C/4HANA」を使ったマーケティング基盤を稼働させた。見込み客の発掘と購入意欲の向上、インサイドセールスによるアプローチといった顧客との接点を一つのプラットフォームで管理し、併せてグローバル市場への情報発信も強化した。

ヒロセ電機 執行役員 管理本部 経営企画部長 兼 IT統括部長の鎌形伸氏
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 電子部品メーカーのヒロセ電機は、世界最小・最高速・ハイパワーなどの特殊性能を盛り込んだ「特殊コネクター」を得意とする。売り上げは1200億円規模で、海外売上比率が約7割となっている。

 同社は直近の10年間、グローバルのコネクター市場の伸びに比べて自社の成長が鈍くなっていることに危機感を抱き、戦略の見直しに取り組んできた。そのうちのテーマの一つが国内にとどまらない「営業業務改革」だった。

 特に同社では、コネクター市場の国内シェア(約15%)に比べて海外シェア(約2%)が低く、海外市場の開拓が急務となっていたという。しかし「Face to Faceで営業できる日本とは異なり、日本ほどリソースを割けない海外市場は開拓が難しい」(ヒロセ電機 執行役員 管理本部 経営企画部長 兼 IT統括部長の鎌形伸氏)。

 「課題を解決するにはデジタルの活用が有効ではないか」と仮説を立て、BtoBデジタルマーケティングに2013年ころから取り組んできた。

設計者は「過去に取り引きしたメーカー」を使う

 大きな転機となったのは、2016年7月に実施した「設計者400人を対象とした調査」である。ここでは、ターゲットとする設計者の情報収集から製品購入までの具体的な行動を分析したという。調査から見えてきたのは、以下の3点だった。

1.設計者は複数の情報源を使い分けている

 有効な情報源は、「メーカーなどの営業担当者」「社内情報」「メーカーのWebサイト」の三つである。同社は対面営業による情報発信を重視してきたが、若い世代の研究者には営業担当者と会うことを好まず、Webからの情報獲得を重視するなど傾向が見えてきた。こうした変化に対応するため、営業担当者とWebサイトの両方での情報提供が必要となった

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