前回の最後に、「次からはワークアウトの基礎から導入方法までの実際を、私の体験に基づいてシェアしていきたい」と書いた。「ワークアウト(Work-Out)」とは、GEが1980年代後半に開発し全社規模で導入した、組織における問題発見と解決の手法のことだ。

 今回は、ワークアウトの話をする前段として、昨今のWeb会議やビデオ会議(以下、Web会議)の急激な利用拡大でかいま見えた、多くの企業が犯している勘違いとその解決の道筋を、「技術的問題」と「適応課題」の視点から書くことにした。

(出所:123RF)

 新型コロナウイルスの感染拡大が契機となって、日本企業がテレワークの活用や在宅勤務の実践を本格化させている。最近になってWeb会議を使い始めた方も多いはずだ。

 これまでITベンダーやコンサルティング会社は、「働き方改革」ブームに乗じてテレワークのための製品やサービスを売り込もうとしていたが、掛け声だけでなかなか浸透しなかった。それが今ではWeb会議を積極的に使おうとする企業が、爆発的な勢いで増えている。

 試しに「Web会議」で検索してみると、関連する製品・サービスの選び方や具体的な導入手法などが書かれたページがずらっと並ぶ。これらを導入してコツをつかめば、誰でもすぐにうまく使いこなせるかのような触れ込みばかりだ。

 デジタル化には及び腰だった経営陣にも、この状況下でのWeb会議の導入意義は理解しやすかったようだ。これまで保守的と揶揄(やゆ)されていた経営陣が異例のスピードで承認を下し、あっという間にWeb会議が現場に導入されたという話を複数のところから聞いた。

どこかにWeb会議の虎の巻はないのか?

 では導入後はどういう状況なのだろう。知人のSNSを見る限りだが、

  • 1人ひとりがアカウントを持ってアクセスしないと、誰が何を話したのか分かりづらい
  • 大人数ではうまくいかないことが分かったので、今後は参加者を絞り込もうと思う
  • リアルな顔をカメラにさらすのはやめて、顔写真で代替することにした
  • 自室が映り込むのは嫌なので、背景だけは変更することにした

といった、Web会議を経験して初めて分かった問題点や、それに対する解決のためのアドバイスなどが書き込まれている。

 書き込みの主は多くの場合、「Web会議はどうすればうまくできるか」に意識が向いているようだ。実際、Web会議に参加して間もない人は、「どのツールの使い勝手が一番いいのか?」「どこかにWeb会議をうまく進める虎の巻はないのか?」という点が気になることが多いようだ。

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