これまで「組織における問題発見と解決の手法」を、「問題解決の科学」と名付けたシリーズで13回にわたって書いてきた。「こうしたら、こういう具合に失敗した」という私の体験を集め、その原因と結果の因果関係の探究によって確立した、問題を解決する知識体系をまとめてきたが、楽しんでいただけただろうか?

(出所:123RF)
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 ただ、シリーズ名を「問題解決の科学」としたためなのか、あるいは問題と聞くとすぐに解決せずにはいられない私のDNAがそうさせるのか、これまでの話はどうも問題「解決」の手法に片寄りがちだった。問題解決までのプロセスを「問題を構成する5つの要素 」に当てはめて話を進めたため、こうなってしまったようだ。

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 このシリーズのテーマは本来、「組織における問題発見と解決の手法」の話だったはずだ。シリーズの最初にもそう記していた。

 私の感覚では、「いったい何が問題なのか」が定義されていれば、その解決は簡単でワクワクする楽しいものとなる。そこで今さらながら、「組織」における「問題の発見」の実践的な手法へと話を引き戻すことにする。

 いつもながらの私の失敗談から始まるが、当時の私の考え方や発言にはエキセントリックな部分が多大にある。読み返すと汗顔の至りだが、自分への戒めも込めて、私の未熟さによる行動と発言を可能な限り表現したので、それをご了承の上お読みいただきたい。

「四面楚歌とはこのことか」

 当時の私は30歳代前半で、未熟ながらも営業部門のリーダーを任されていた。部下2人を加えた3人のチームで、大学や製薬会社にクロマトグラフィー装置や電気泳動装置、そして新製品のDNAシーケンサーを売っていた。

 新しいもの好きの私は、DNAシーケンサーをはじめとする高額な新製品の営業活動を試行錯誤しては、それをマニュアルに書き起こして、チームのメンバーや他のチームのリーダーと共有することに夢中になっていた。営業担当の同僚が販売マニュアルを作っていることに触発されたものだが、新製品を誰よりも早く売るという栄誉が半分で、残りの半分は少しでも営業所全体の目標達成に貢献したいという気持ちからだった。

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