前回は、片寄った販売バランスを指摘された私が、その問題を解決したつもりの営業会議で別の問題を指摘されたという話を紹介した。この一連のやり取りに我を忘れた私は、「もうこんな会社なんか…休んでやる!」と宣言して、本当にまるまる2週間、会社に行かずに頭を冷やすことに充てた。

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 今回はその続きで、職場に復帰した私が、会社を休む原因となった一連の失敗を振り返り、何を学んだかを解説する。

(出所:123RF)
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 前回の失敗談を整理して、私は以下の2つの点を考えてみた。

  1. どうして私が問題と思わないことを他者に問題であると指摘される「食い違い」が起こったのか?
  2. 問題を解決したのに、その解決策が別の問題として取り沙汰されたのはなぜか?

これを順番に見ていこう。

1.どうして私が問題と思わないことを他者に問題であると指摘される「食い違い」が起こったのか?

 私にとっては問題ではないことが、立場の異なる他の利害関係者には問題として認識されたのは、私と他の人の間で「何が問題か」という認識の共有や切り分けができていなかったからだ。

 私たちが遭遇する「問題」は、大変であろうとも些細であろうとも、因果関係でひもづいた「原因と結果」からなる「現象」に過ぎない。しかし、ひとたび誰かが、その現象を「目標 *1」と照らし合わせて「評価」したときに、現象が問題と呼ばれるようになる。現象を「それは異常だ」とか「まったく期待外れだ」とか「なんてこった!」やら「まだまだ足りない」と評価したことで、問題が発見される=問題として定義されるというわけだ。


*1 「目標」は、以下の2つに分かれる。

・消極的な目標(negatively oriented) :現状を維持するために「異常を正常(目標)に戻す」
・積極的な目標(positively oriented) :夢をかなえるために「理想(目標)の実現を追求する」

この2つの目標は、『The Art of Problem Solving』(Russell Lincoln Ackoff 著、日本語訳は「問題解決のアート」)の原文を基に解釈した内容を過去の記事 たった96時間、でも無理じゃなかった! 問題解決の科学(5) で整理しているので、こちらをご覧いただきたい。

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