最近、このシリーズの読者から、私にならって「時間泥棒対策を始めた」という話をよく聞くようになった。しかし、あなたが組織で働いているのであれば、一人で時間泥棒を見つけて駆除したところで、何の役にも立たないことに気づいたのではないだろうか?

(提供:123RF)

 それもそのはずだ。時間泥棒は至る所にいる。

 自分の中から時間泥棒を追い出したところで、あなたの業務と関わる同僚や部下や上司や他部署から、次から次へと時間泥棒が送り込まれてくる。組織にはびこる時間泥棒を撃退するなら、そこに組織の全員が取り組まなくてはならない。そして、自分の部署で時間泥棒を撃退できたとしても、他部署からの時間泥棒が大挙して押し寄せてくる。

 これまでは、自分自身と社内の時間泥棒を見つけて撃退することを解説してきたが、今回からは顧客の中にいる時間泥棒を見つけてこれらを追い出すこと、つまり「お客様に時間を売る」というビジネスについて話す。これに併せて、記事のサブタイトルを「お客様に時間を売る」に変更した。

 実はこの話は、10年以上も前に筆者が経験した顧客とのビジネスについて、その試行錯誤と体験を整理し、「時間泥棒」の視点から体系化し直したものだ。「顧客」とは特定の1社に限ったものではないことをお断りしておく。

「フロー」型ビジネスからの脱却を目指す

 「お客様に時間を売る」ビジネスの具体的な話をする前に、私がいた会社GEヘルスケア バイオサイエンス(現GEヘルスケア・ジャパン、以下「GEヘルスケア」と表記)が、2008年当時に何を考えていたのかについて説明していこう。

 GEヘルスケアは、1911年にスウェーデンで創業したファルマシアを起源とするB2B製造業である。大学の研究施設や製薬会社の研究所にいるバイオ研究者たちに研究用試薬や分析装置を提供するほか、薬の工業原料や製造機器と製造技術をバイオ医薬品工場へ提供するビジネスを展開していた。当時は8万点ほどの「製品」があり、売り上げのほとんどをその販売代金が占めていた。

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