米GEが1980年代後半に全社規模で導入した「ワークアウト(Work-Out)」を解説するシリーズは、早いもので6回目となった。今回は、第5回で絞り込んだアイデアを起点に具体的な解決策を提案し合い、優先順位を付けてメンバーの合意を形成し、行動計画を決定するまでの詳細を解説する。

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実はこの連載と並行して、私が主催するコミュニティーでも、連載と同じテーマでグループワーク演習を開催し、「アイデアの量産」から「アイデアの絞り込み」までを進めていた。
同じテーマとは、「新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、在宅勤務によりチームのメンバーがバラバラに働くことが増えた。業務が個人のパフォーマンスだけに依存するようになり、チームワークで成果を出せなくなってしまった。どうすれば在宅勤務でも、オフィスで一緒に働いていたときのように、チームの力を結集して結果を出せるだろうか?」というものだ。
この演習は全員が同じ場所に集まるグループワークではなく、全員が異なる場所から参加する、オンラインでのグループワークとしていた。参加した16人は、全員がワークアウトのスキルとファシリテーターとしての経験を十分に持っている。
グループワークでは、まず16人を4人ずつの4グループに分けた。前述のテーマについてアイデア出しをしたところ、オンラインという慣れない環境ながら、わずか10分ほどで、4グループ合わせて187枚のアイデアが量産された。1人当たり10件以上のアイデアを出した計算になる。
アイデアは本来、グループ単位だけで数えて取り扱うものだが、このオンラインのグループワークでは16人が出したアイデアをいったん全て並べてみた(図1)。