前回は、ある製薬会社向けに「時間を売る」ビジネスをデザインする過程で、この製薬会社に問題点が6個あり、そのうちの4個に「時間泥棒」が潜んでいる可能性が高いことに気づいたところまでを解説した。

 私たちが「お客様に時間を売る」ビジネスにたどり着くまでに、以下の5ステップを踏んだ。

  1. お客様のゴールを確認する
  2. 現状を測る
  3. ギャップ・問題点を発見する
  4. 問題解決(お客様に時間を売る)のための戦略を立案する
  5. 問題解決(お客様に時間を売る)のためのロードマップを提案する

 今回は「3.ギャップ・問題点を発見する」の後にある、「4.問題解決のための戦略を立案する」つまりお客様に見えないように潜んでいる「時間泥棒」を捕まえるフェーズになる。前回同様、私が開発した「B2Bハックカード」を使った分析を含めて紹介する。

「ひと」「時間」「お金」で戦略を考える

 簡単に振り返ると、私たちが1.から3.までのステップを経て明らかにしたのは、製薬会社のゴール(目的)は、「新薬開発を加速して、いち早く市場へ投入して、患者を一人でも多く救うこと」であり、その実現のために抱えていた問題点は以下の六つだった。

  1. 5000台の研究開発機器のメンテナンスに作業の20%の時間を費やしている
  2. 機器修理の申請と承認で1カ月を要する、その間は研究ができない
  3. 機器のウオームアップや微調整が必要で、いつでもすぐには使えない
  4. 研究所全体で修理代金がいくらかかっているかを誰も知らない
  5. 誰がどの機器を所有しているか不明で、いざというときに借りたくても頼めない
  6. 研究者が機器を個別に購入するため、購買時にディスカウントを受けられず金額が高くなる

 この問題を解決するために戦略を立案するとは、ゴールと現状の間にあるギャップ・問題点を埋めるために、ソリューションを生み出すリソースごとに対策を立てることだ。ここでは、リソースを(1)ヒト、(2)時間、(3)お金に分けて考える。

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(1)ヒト

 六つの問題点を読み返してみると、その全てが「研究者が研究に集中することを妨害するもの」だった。特に「5000台の研究開発機器のメンテナンスに20%の時間を費やしている」とは、500人いる研究者のうち100人が研究をしていないことに等しい。

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