米GEが1980年代後半に全社規模で導入した「ワークアウト(Work-Out)」を解説する本シリーズは、これまでワークアウトの3つのステップ「準備」「対話」「行動」を解説してきた。前回と前々回では、具体的な合意形成と行動計画について、筆者が参加したグループワークを基に説明した。

 今回は「対話」の最後のステップとして、行動計画を基にした、ワークアウトのスポンサーである経営者への解決策提案の手順を解説する。さらに立場を変えて、スポンサーとなった人のあるべき姿勢と言動についても紹介する。

(出所:123RF)
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限られた時間で提案をまとめるためのひな型

 5月に掲載したシリーズ第1回から7カ月が経過したので、ワークアウトとグループワークに長い時間をかけるものだと思われた方が多いかもしれない。しかし現実には、事前の準備にある程度の時間はかかるとしても、グループワークは1~2日程度とし、スポンサーからの承認を得るところまでを終わらせる。

 このスピード感だと、スポンサーへの提案の準備に使える時間はせいぜい10~20分程度となる。これでは前回までに作った行動計画などをまとめて、見栄えのよいスライドをPowerPointで作っている時間はない。ここで意識すべきは、スポンサーへの提案はスライドの出来不出来やプレゼンテーションのよしあしで決まるわけではないということだ。

 グループワークの参加者は、組織の中にある課題を解決することで、お客さまに提供する価値を高めようとする意思を持った社員たちだ。全員が企画や戦略立案のプロということはなく、プレゼンテーションが得意な営業やマーケティングの猛者ばかりでもない。

 中には、人前でプレゼンテーションをした経験がない人も、プレゼンテーションが苦手な人もいるだろう。そうした経験や能力の差が不利に働かないように、過不足のない提案をするためのひな型を作ってみた。

 このひな型に沿うことで、スポンサーが判断するために必要な項目を押さえられる。スポンサーだけではなく、自分たちが他のチームの提案を聞くときにもその要点を理解しやすくなり、有益なアドバイスも可能になる。

提案のひな型(・は提案に含める必須項目、▢は確認事項)

  • 日付
  • チーム名
  • メンバーの氏名
  • 解決するべきテーマ(スポンサーから与えられたもの)
  • ペイ・オフ・マトリクス(いくつもの提案候補の中から絞りこんだプロセスと結果)
  • 提案の具体的な内容
    • □ 自分たちだけで実行可能であること
    • □ チームメンバー以外の他の誰かの協力が必要か?
    • □ 自分たちの通常業務と同時並行して実施可能であること
    • □ 最も困難なチャレンジは何か?
    • □ 最も高いリスクは何か? そのインパクトは?
    • □ 想定される最も嫌な質問は何か?
    • □ どんな反対意見があるか?
  • 承認が必要なこと
    • □ 提案に投入される人的資源
    • □ 必要な予算は
    • □ 完了する期日
  • 具体的な行動計画(5W1Hで記述する)
  • 進捗確認プラン
    • □ どれくらいの間隔でスポンサーに進捗報告をするか?
    • □ 報告する進捗達成指標は何か? その測定方法は?

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