調査会社のIDC Japanは2019年12月、2019年上半期までの実績を元に2019年から2023年までの国内情報セキュリティ市場の予測を発表した。

 この中で、セキュリティソフトウエア製品の2019年の市場規模は前年比3.8%増の2638億円となり、そのうちのSaaS型セキュリティソフトウエアの市場規模は前年比14.5%増の325億円となる。セキュリティソフトウエア製品の市場規模は2023年には2997億円に、SaaS型セキュリティソフトウエア市場規模は521億円に成長するとIDCは予測している。

2019年春時点で「対策を実施した」企業が1割

 2020年は日本で、東京五輪・パラリンピックが予定されている。過去の経験から、国際的な大イベントの前後には、開催地を狙ったセキュリティインシデントが多発すると見込まれている。

 特に電力/ガスや公共サービス、交通/運輸、金融など、国民生活や社会経済活動の基盤となる重要インフラ系は標的となりやすい。これらの事業を手がける企業は、監督官庁の協力を得ながらセキュリティ対策を進めている。

 しかし、重要インフラ系ではない企業の目には、セキュリティへの投資は必ずしも急ぐべきものではないと映っているのかもしれない。2019年の春にIDC Japanが実施した調査結果によると、「『東京五輪に向けてセキュリティ対策を実施した』と回答した企業は1割以下にとどまった」(IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーである登坂恒夫氏)。

 このためIDCは、上記の国内情報セキュリティ市場予測には、東京五輪・パラリンピックがもたらす大きな伸びを見込んでいない。景気動向などを加味して2019年6月に発表した数値の一部を下方修正した。

 これまで日本の情報セキュリティ市場の規模は、大きなインシデントが発生した直後に伸びてきた。「東京五輪・パラリンピックを契機に何かしらのインシデントが発生すると、その検知や防御を可能にするセキュリティ製品・サービスの需要が拡大する可能性がある」と登坂氏は見ている。

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