ここ数年で急速に発達したIoTやAI(人工知能)の技術を応用して、個人の快適な生活をサポートする「スマートホームデバイス」が成長を続けている。調査会社のIDC Japanによると、2019年のスマートホームデバイスは全世界で8億を超える出荷台数となり(数値は2019年第3四半期のデータに基づく予測、以下同)、2023年には14億台に達するという。

(提供:123RF)
ただし日本市場に限ると、2019年のスマートホームデバイスの出荷台数は1000万台程度。日本と世界の比較から、売れる製品の違いも見えている。今後の日本のスマートホームデバイスの成長の鍵を握る分野とビジネス応用の課題を探る。
スマートホーム化はテレビから
スマートホーデバイスとは、(1)家庭にあり、(2)通信機能を持ち、(3)「スマート(賢い、転じて高度な)」な活用が可能な機器のことである。スマートには、人の声で命令できる「操作性」や単独でも自立的に動作する「自動化」、他の機器との「共有・連携」などの意味合いを含んでいる。
IDCはスマートホームデバイス市場を、以下の5つのカテゴリーに分けている。
- 動画を楽しむための「ビデオエンターテインメント」
- Apple TVに代表される「セットトップボックス」
- Fire TV Stickなどの「ストリーミングスティック」
- テレビにインターネット接続機能などを内蔵した「スマートテレビ」
- 白物家電がスマート化した「アプライアンス」
- ルンバなどの「ロボット掃除機」
- 音声コマンドによる調理が可能な「オーブンレンジ」
- 庫内にある食材をカメラでチェックできる「冷蔵庫」
- スピーカーに音声応答機能を付与した「スマートスピーカー」
- Amazon EchoやGoogle Home、LINE Clovaなどの「スマートスピーカー」
- スマートスピーカーにディスプレイを搭載し、タッチパネルで操作できる「スマートディスプレイ」
- 家庭内の「ホームモニタリング/セキュリティ」
- 留守中の部屋の状況を確認できる「遠隔カメラ」
- 遠隔操作で鍵の開閉ができる「ドアロック」
- ドアや窓の開閉状態を確認できる「センサー」
- その他
- オンオフや明るさをコントロールできる「照明」
- 住宅内の温度を一定に保つ「サーモスタット」
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