前回に引き続き、今回もこの10年間の日本のクラウドを取り巻く動向を振り返る。

 ガートナー ジャパンが毎年発表している「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル」の2012年版で「クラウド・コンピューティング」は、熱狂が冷めて市場がいったん停滞する「幻滅期」に突入した。今回は2013~15年ごろの日本のクラウド環境を、大手クラウド事業者の動きを中心に解説する。

エコシステムを形成したAWSが市場をけん引

 2013年当時、日本のパブリッククラウド市場をけん引していたのは、米AWS(Amazon Web Services)が提供するクラウドサービスだった。AWSは頻繁な値下げによって企業の関心を引き、顧客からのフィードバックを反映しつつサービス規模を拡大していた。

 当時のAWSが重視していたのが、クラウドのエコシステムの整備である。独自API(Application Programming Interface)を公開し、2010年に発足させたユーザーコミュニティー「AWS User Group Japan(略称JAWS-UG)」を通じてサードパーティーと連携し、AWSを中心としたエコシステムを拡大していった。

 この活動では、クラウドのサービスを分かりやすく解説する「エバンジェリスト(Evangelist)」が重要な役割を担っていた。エバンジェリストには、技術やサービスに精通したエンジニアや開発者が転身する例が多く、この時期にエバンジェリストを正式な職位とする外資系のクラウド事業者が増えていった。

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