国内企業のアプリケーションの運用と保守にかかる支出について、ガートナーは2020年から2023年にかけて年平均2.7%で増加すると予測している。IT予算の全体額を増やすことが難しい現状では、企業は既存システムの運用や保守にかかる費用にもメスを入れなくてはならなくなる。これができないといわゆる「2025年の崖」を乗り越えられず、AIやIoTなどの競争力強化につながる分野への投資が難しくなる。

 コスト見直しの第一歩として、ガートナーはアプリケーションの「運用」と「保守」を明確に区別することを薦めている。両者の定義を曖昧にしたままでは、ベンダーへの委託の際などに行き違いが生じる可能性がある。

 まず「運用」とは、アプリケーションを動かし続けるための取り組みを意味する。プログラムには手を加えない、システムの整備や管理などの作業が運用に当てはまる。これに対して「保守」とは既存アプリケーションに変更を加える取り組みである。アプリケーションの使い勝手を良くするためにソースコードレベルで改変を加えるなどの作業が該当する。

 この二つの区分を社内で明確に意識し、コストの最適化のために講じるべき対策を検討してほしい。

運用コストの最適化はベンダー管理から

 運用に関わる業務は、保守と比べてアウトソーシングを活用しやすいといえるだろう。IT部門のリソースが限られるのであれば、コストを抑えつつアウトソーサーに最大限のパフォーマンスを発揮してもらう環境整備が必要となる。

 アウトソーサーの活用で注意したいのは、特定ベンダーへの過度な依存を避けることである。日本企業でよく見られるのが、ヘルプデスク業務を丸投げしているケースである。業務の切り分けが容易であるため任せきりになりがちだが、アウトソーサーへの依頼内容を明確化し対応結果を精査する管理作業は欠かせない。

 アウトソーサーとの“健全な緊張関係”を維持するためには、異なる強みを持つ他ベンダーの動向を把握し、改善提案を求めることが効果的だろう。他のアウトソーサーに変更することは簡単ではないが、現在のアウトソーサーに他社の動向を示しつつ、改善を促すコミュニケーションは可能なはずだ。

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