2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、リモートやオンラインでの業務スタイルが浸透した。顧客関係管理(CRM)の分野でも、業務改革とデジタルテクノロジーの導入ニーズが高まった。

 本稿では、ガートナー ジャパンが、2020年10月に発表した「日本におけるCRMのハイプ・サイクル*1 」の最新版を基に、CRMを取り巻く最新動向を解説する。下のにプロットした技術から、「セールス・イネーブルメント・プラットフォーム」と「同意とプリファレンス管理」、「顧客の声ソリューション」、「デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム」を取り上げて、その動向を見ていく。

図●日本におけるCRMのハイプ・サイクル:2020年
出典:ガートナー
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科学的根拠に基づいた営業担当者の育成

 「セールス・イネーブルメント・プラットフォーム」は、従来は「営業支援基盤」などと呼んでいたがこれを改称して、「黎明期」にプロットした。同プラットフォームは、大きく分けて営業コンテンツ管理と営業担当者の育成という2つの要素をサポートする。

 営業コンテンツ管理は、営業用コンテンツ(ホワイトペーパーや仕様書、利用事例など)を、個々の顧客企業に適したかたちでデジタルのチャンネルで提供するものである。海外では前から取り組みが始まっていたが、日本ではこれまであまり必要とされてこなかった。営業担当者が顧客企業を訪ね、顧客の意向を聞きながら紙に出力した資料を見せて話す営業スタイルが一般的だったからだ。

 しかしコロナ禍後は、顧客が対面よりもオンラインでの商談を望む傾向が高まっている。在宅勤務が進むと、顧客のオフィスを訪れて面会することも難しい。今後は日本でもデジタル化した営業コンテンツを活用する機会が増えそうだ。

 現に最近は「ベルフェイス」など、オンライン営業を支援するシステムが急伸している。これらは、「Zoom」や「Google Meet」などの一般的なオンライン会議システムとは異なり、オンライン営業に特化した機能を備えているからだ。


*1 ハイプ・サイクルは、企業がテクノロジーやアプリケーションに何を期待できるのかを理解できるようにガートナーが開発したもので、横軸に「時間の経過」を、縦軸に「市場からの期待度」を置く2次元の波形曲線で表す。テクノロジーやアプリケーションが市場に受け入れられるまでは、総じて同じ経過をたどる。初めて市場に登場した後に、期待は急上昇するが(黎明期)、成果を伴わないまま過熱気味にもてはやされ(「過度な期待」のピーク期)、熱狂が冷めると市場がいったん停滞し(幻滅期)、改めて実質的な市場浸透が始まり(啓発期)、成熟したテクノロジーとして市場に認知される(生産性の安定期)というステップを踏む。

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