新型コロナウイルス感染症の予防策として、企業がテレワークの導入を進めている。併せて従業員同士や顧客、パートナーとのコラボレーションに使うツールが一気に普及した。

 チャットやファイル共有、アプリ共有などの機能を持ち、業務に必要なコミュニケーションを円滑にするツールだ。従来のメールとファイルサーバー中心の情報共有から、20~30年ぶりに企業のコミュニケーションを大きく変えようとしている。

 IT部門にとっては、これらのツールを社内に浸透させることがwithコロナ時代の新課題となっている。

テレワーク、個人作業ははかどるがコラボには不安

 一定数以上の従業員がテレワークをしている企業では、従業員のパフォーマンスとエンゲージメントの2つの側面で課題を抱えている。

 従業員は個人での作業に集中できるようになったものの、チーム内で協調して作業するコラボレーションの質や量のほか、必要な情報へのアクセスなどに不安を抱えている。組織からみると、従業員のメンタルを含めた好不調など、これまで見えていたものが見えなくなり、部下と管理職のきずなの強さに基づく管理や評価が難しくなっている。

 こうしたニーズを受けて広まったのが、Microsoft Teams(以下、Teams)やSlackなどの「ワークストリーム・コラボレーション」のツールだ。当初はログを残せるグループチャットとしてスタートしたが、ファイル共有や検索機能、チーム内でのタスク実行やアプリケーション共有などの機能を取り込みながら進化してきた。

 これらのツールがメールと決定的に異なるのはスピード感だ。相手の状況に合わせて、テキストチャットや音声チャット、画面共有、Web会議などの機能を使い分け、その場で業務を完結できる。会話やコンテンツを蓄積して再利用できるため、従業員が退職した場合もナレッジが残るといったメリットがある。

 こうしたワークストリーム・コラボレーションに対し、企業は技術を選定する段階を経て、コストをかけて導入したツールを最大限活用する方法を模索している。ガートナーでは企業の活用事例を集め、難易度によって3つのレベルに分けることとした(図1)。

図1●ワークストリーム・コラボレーションの活用は3つのレベルに分けられる
図1●ワークストリーム・コラボレーションの活用は3つのレベルに分けられる
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 レベル1は、ツールを社内で運用している例。レベル2は、これに外部者も参加する場合だ。社外とつながると利便性が一気に上がる。顧客やパートナーとも、身近なコミュニケーションを取る感覚で使える。

 レベル3は、社内外でアドオン・アプリケーションなどを使いこなしているものだ。このレベルになると、ビジネスの変革につながり、企業の競争力向上にも役立てられる。

コラボツール活用がビジネスプロセスの見直しにつながった例も

 レベル別に、具体的な事例を紹介する。まず、レベル1。横河レンタリースでは営業現場での情報やコミュニケーションをTeamsに集約し、これまではなかなか開けなかった全国営業会議を頻繁に催すようにした。

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