昨年(2018年)に甲子園春夏連覇を果たした中日ドラゴンズの根尾昴選手が、高校時代を振り返り、現役の高校球児にエールを送っていた。愛知県大会が始まるのを受けた、朝日新聞の別刷り特集紙面だ。根尾選手のエールは「執念は結果につながる」、「継続は力なり」などであった。

 これらの言葉はストンと腑に落ちた。私が「設計力」に関する研修講師を務める場で、常に伝えるフレーズに共通するものだったからである。そのフレーズとはこうだ。「執念に勝った設計は傑作、執念に負けた設計は駄作」、「DR(デザインレビュー)の工夫に終わりはない。DRを継続的にDRすること」──。

 そうなのだ。「執念」を持つ、「継続」するという取り組み姿勢は、業種や仕事にかかわらず大切なものとそれまで思っていた。スポーツもやはり同じなのだと、今さらながらその重みを改めてかみしめた。だからといって、ここで精神論を語るつもりはない。仕事は基本を踏まえることが何よりも大切だ。その基本を「執念」を持ち、「継続」しなければならない。

 言い換えると、執念とは「手抜きをしない」ということだ。継続とは「カイゼンしながら納得できるまで続ける」ということである。逆に、手抜きをせずやり続けると、「執念」と「継続」が普遍の心理であると体得し、悟ることができる。ぜひ、教えられるのではなく、仕事を通してこれらの言葉を悟ってほしい。それが自らを高める近道である。

「執念」とはルールを守り、内容を充実させること

 では、設計段階の取り組みとしての「執念」と「継続」について考えよう。思い出してほしい。設計段階の役割はお客様のニーズを『もの』という形にするための情報に置き換え、それをやりきる取り組みだった。やりきるには、いわゆる基盤技術(潜在的に備える技術)を前提に、その技術を生かし伸ばして広げる「仕組み」や「管理」が、基盤技術と同等に大切であった。

 そして、その仕組みや管理が設計力であり、7つの要素(7つの設計力)から構成されていた。量産設計段階の7つの設計力とは次の通りだ。

[1]設計プロセス
[2]技術知見やノウハウ
[3]ツール
[4]人と組織
[5]判断基準
[6]議論と決裁
[7]風土・土壌

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