本連載では8回にわたって、営業活動をテクノロジーの力で効率化し、成果を最大化するための新たな手法や活動である「SalesTech(セールステック)」を解説してきた。

 多くの人は、「SalesTech」とは見込み客との接触から契約完了までを支援するツールを意味し、その先の契約後についてはカスタマーサポート支援ツールの役割と考えるだろう。しかし企業が顧客に提供する製品・サービスが変化していることに伴って、カスタマーサポートの領域だった役割の一部が、営業部門に求められるようになっている。

 その役割とは、顧客から信頼を得てビジネスを継続する「ロイヤルティーの向上」に関わる部分である。今回は、ロイヤルティー向上のために取り組み始めた企業が増えている「カスタマーサクセス」について解説する。

カスタマーサクセスが注目される背景

 カスタマーサクセスについて話をする前に、製品を販売するモデルから、サービスを提供するモデルにビジネスモデルをシフトする、いわゆる「サービス化」を志向する企業が増加しているという現状を分析する。サービス化とは、ビジネスニーズを発掘し、そこにデジタル技術を適用することで、過去には見られなかった新たなサービスを立ち上げるものだ。

 一般消費者向けのB2C分野では、カーシェアリングや施設貸し出しなどの「シェアリング」のほか、オンラインのフリーマーケットやタクシー配車などの「マッチメイキング」といった、ヒトやモノをつなげる領域でサービス化が進んでいる。さらに教育やビデオ、音楽などのコンテンツ分野で、オンラインを前提としたサービス化が普及している。

 製造業も近年、この分野に積極的に取り組んでいる。例えば、トヨタ自動車の定額乗り換え放題サービス「KINTO」や、米ナイキの子ども向けシューズの定期購入サービス「Nike Adventure Club」、英ダイソンの掃除機などを月額課金で利用できる「Dyson Technology +」などだ。これらは、製造業がこれまで単体の商品として販売してきた製品を、サービスとして提供しているものだ。

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