本連載は、営業活動をテクノロジーの力で効率化し、成果を最大化するための新たな手法や活動である「SalesTech(セールステック)」を解説してきた。前回は顧客から信頼を得てビジネスを継続する「ロイヤルティーの向上」のために、顧客がサービスから離脱することを防ぐ「カスタマーサクセス」を解説した。

今回は、顧客の体験(カスタマーエクスペリエンス)を高められる機能を持った製品・サービスとして、対話型でリアルタイムのやり取りをする「チャット」を使う「Web接客」や「カスタマーサポート」を取り上げる。そして、やり取りを自動化する基本技術である「チャットボット」の動向についても解説する(図1)。
Webサイトへの導入が進むチャット機能とその背景
主に個人が利用する「LINE」「Facebook Messenger」などのチャット系サービスや、携帯電話番号を使ってメッセージをやり取りする「SMS(Short Message Service)」を業務に利用する企業が増えている。チャット系サービスは当初は若年層への普及が先行したが、スマートフォンの普及とあいまって40代以上のビジネスパーソンにも利用が広がった。