デジタル化に取り組んでいない企業は、もはや少数派になっている。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が実施した「企業IT動向調査2019」(概要は末尾)からは、デジタル活用による事業変革の取り組みが国内で加速している実態がうかがえる。

 企業IT動向調査2019は「IT部門に問われるデジタル変革力」を重点テーマに据え、ビジネスのデジタル化について様々な調査を実施した。本調査ではビジネスのデジタル化を「ITの進化により、様々なヒト・モノ・コトの情報がつながることで、競争優位性の高い新たなサービスやビジネスモデルを実現すること、プロセスの高度化を実現すること」と定義している。

この1年で多くの企業が足を踏み出す

 ビジネスのデジタル化に取り組む企業は、国内で着実に増えている。調査では、ビジネスのデジタル化の検討状況を、「商品・サービスのデジタル化(ビジネス自体の変革や商品・サービスの創造)」「プロセスのデジタル化(業務プロセスの変革・自動化、状態の見える化、データ活用)」に分けて尋ねた。

 いずれのデジタル化も「未実施」と回答した企業は29.2%。前年度から22.0ポイント減と、この1年で多くの企業がデジタル化に足を踏み出したことが分かる。

ビジネスのデジタル化への取り組み状況
(出所:日本情報システム・ユーザー協会、以下同じ)
[画像のクリックで拡大表示]

 特に進展しているのが、プロセスのデジタル化。「未実施」の企業は31.2%と前年から22.4ポイント減少した。一方で、両方のデジタル化を「実施中」の企業は9.0ポイント増加し、20.0%に達した。

 製造/非製造の業種別に見ると、非製造業でプロセスのデジタル化が進展している。プロセスのデジタル化を「未実施」と回答した企業は31.5%で、前年度から26.7ポイント減少した。製造業でも、「未実施」は17.1ポイント減っている。

ビジネスのデジタル化への取り組み状況(製造/非製造別)
[画像のクリックで拡大表示]

 プロセスのデジタル化は、現状の業務が対象である。問題や課題を熟知しているため取り組みやすいことに加え、コスト削減圧力が取り組みの大きな推進剤になっていると考えられる。

 適用可能な技術が普及期に入っていることも大きいだろう。回答企業の一部に個別に実施したインタビュー調査でも、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI(人工知能)、IoT(インターネット・オブ・シングズ)、画像・映像解析などの技術を活用した業務プロセス見直しの取り組みが始まっていることが確認できた。

 特にRPAの活用は進んでいる。「スモールスタートで様子を見ながら」という企業も多く、着実に裾野が広がっている。働き方改革など労働時間短縮が求められる中で、プロセスのデジタル化を実現する手段としてRPAへの期待が急速に拡大しているといえる。一方でRPAは、導入の仕方によっては、本来見直すべきプロセスやシステムを塩漬けにする危険性も指摘される。本質的な変革に結びついているか、今後の状況を注視する必要がある。

この先は日経 xTECH Active会員の登録が必要です

日経xTECH Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。