企業がパブリッククラウド上でデータを活用する際、ネットワークへの考慮は極めて重要だ。例えば、オンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドの場合、クラウド上のデータベースとオンプレミスの間にネットワーク遅延があると、想定よりスループットが出なかったり、リアルタイム処理ができなかったりする事象が発生する。こうしたことを防ぐには、ネットワークの観点から各クラウドを比較することが不可欠だ。そこで本特集では、パブリッククラウドを導入する際のポイントをネットワークの視点から解説する。

POINT 4
物理接続型サービスではGCPが高速でAWSが安価

 閉域網や専用線を使ってオンプレミスとパブリッククラウドをつなぐ閉域接続には、「物理接続型」と「論理接続型」の2種類の構成がある。

物理接続型と論理接続型の違い
オンプレミスとパブリッククラウドを閉域接続でつなぐ方法として、物理接続型と論理接続型の2種類がある。物理接続型はユーザー企業の設備とパブリッククラウドを直接光ファイバーケーブルでつなぐ。論理接続型は接続パートナー経由でつなぐことになる。
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 物理接続型では、オンプレミスにあるユーザー企業のルーターとパブリッククラウドを光ファイバーケーブルで物理的に接続する。これに対し、論理接続型ではパブリッククラウドの設備と直接つながるのは通信事業者などの接続パートナーだ。

 接続パートナーはユーザー企業に対して、パブリッククラウドの物理的な帯域を分けて提供するイメージとなる。AWSとGCPは、物理接続型と論理接続型の両方を提供している。一方、Azureは物理接続型を提供しておらず、接続パートナー経由の論理接続型のみとなる。

 まず物理接続型についてAWSとGCPを比較した。

AWSとGCPにおける物理接続型サービスの比較
2019年4月時点の情報に基づいている。
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 AWSは接続帯域のメニューとして1Gビット/秒と10Gビット/秒を提供している。対して、GCPは10Gビット/秒を基本とし、100Gビット/秒もベータ版としてリリースしている。AWSに比べGCPは、より広帯域での利用が可能となっている。

 接続ロケーションは、GCPは比較的選択肢が多い。料金についてはほぼ変わらないが、データ転送料金はAWSが若干安価である。

 AWSおよびGCPの物理接続型の構成を示す。基本的な構成は似ている。ユーザー企業がルーターを接続ロケーションに持ち込み、クラウド事業者が用意したルーターに光ファイバーケーブルでつなぐ。

AWSおよびGCPの物理接続型サービスの構成
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