すべてのモノがネットワークにつながるIoT時代、IT技術者ならネットワークに関する基本的な知識は不可欠だ。そこで本特集では日経NETWORKの過去記事を再編集。全12回で基本的なネットワーク技術を分かりやすく解説する。

 IPネットワークでは、IPパケットを使ってコンピューター同士がデータをやりとりする。送受信するコンピューターが同じネットワーク内にあるときは、送信側のコンピューターが宛先のIPアドレスとMACアドレスを指定することで、目的のコンピューターにIPパケットが届く。

 では、異なるネットワークにあるコンピューターとデータをやりとりするときは、どうするのか。このときに活躍するのがネットワーク機器の「ルーター」である。今回は、ルーターの基本機能を見ていこう。

ネットワーク間の橋渡しが主な役目

 ルーターは、IPネットワークに欠かせないネットワーク機器の一つだ。一般家庭でFTTHやADSLを使ってインターネットに接続するときに利用する「ブロードバンドルーター」もその一種である。名前にルーターが入っていないが、「レイヤー3スイッチ」や「VPNゲートウエイ」といったネットワーク機器も、ルーターの機能を持っている。

 ルーターの機能とは、異なるネットワーク間でIPパケットのやりとりができるように橋渡しすること。下図のように、通常は複数のネットワークをまたぐ形で設置され、接続しているネットワークからネットワークへの転送処理をする。

ネットワーク間の橋渡しをするのがルーターの仕事
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 前回、コンピューター内では複数のプロトコルを階層化して、通信データを処理していることを紹介した。実は、ルーター内でもコンピューターと同じように、プロトコルに従った処理をしている。具体的には、IPの処理である「ルーティング」と、イーサネットなどIPより下位のレイヤーの処理である「フォワーディング」だ。この二つの処理によって、ルーターは橋渡しという基本機能を実現している。

フォワーディングとはIPパケットの乗せ換え

 ルーター内のフォワーディング処理は、IPパケットを別のフレームに乗せ換えることである。乗せ換えることで、異なる種類のネットワークにも転送できる。

 ルーターはIPパケットを乗せたフレームを受け取ると、そこからIPパケットを取り出す。そして、転送すべきポートに対して、そのポートが接続されたネットワークに合わせたフレームを作り、そこにIPパケットを乗せて送り出す。これが、フォワーディング処理だ。

 例えば下図のように、ネットワークBとネットワークCの内部でイーサネットを用い、B-C間をデジタル専用線でつなげていたとする。

ルーターはIPパケットをネットワークに合わせたフレームに乗せ換える
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 この場合、イーサネットとデジタル専用線につながったルーターは、イーサネットならMACフレームというようにネットワークの種類に合わせたフレームにIPパケットを乗せ換えることで、データのやりとりを実現している。

 また、IPパケットを受け取ったネットワークと送り出すネットワークが全く同じ仕様だと、ルーターを越えても同じフレームが流れているように見える(図で言えば、ネットワークAからネットワークBへの流れ)。しかし実際は異なり、ルーター内部では必ず新しいフレームに乗せ換えている。フレームは、ルーターを越えられないと覚えておくとよいだろう。

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